新規参入

以前に「もうひとつの世界」で紹介したリンデン・ラボ社製作のネットワークゲーム「Second Life」(通称、SL)に、ついに新規参入の大きな波が来た。
大きな新規参入の波が来るのはこれが最初で次があるのか、それともこれが最後なのか、わし個人としては次があるものと思っているが、まあそれは後になってみないと分からない。
 
ここ一週間、急激に新規参入プレイヤーが増えた理由は何か?
わし個人の意見ではあるものの、ずばり「こち亀」と「朝日新聞」であろう。
4月15日発売の週刊少年ジャンプに掲載された「こちら葛飾区 亀有公園前 派出所」では、SLをモデルにした仮想世界で両さんが金儲けに熱中するという話。ゲーム中の通貨を現実のお金に換金できるという辺り、間違いなくSLがモデルである。
朝日新聞はというと、やはり4月15日付の朝刊の一面にでかでかとSLについて言及した記事「ウェブが変える」という特集記事が掲載されたのだ。世の中が相当平和だったのであろう。
この両方は相当な影響力があると見え、この一週間であった新規プレイヤーに、SLを始めたきっかけについて尋ねると「こち亀」がきっかけという回答が圧倒的だった。また、SLプレイヤー向けのSNSでの日記をみると、「朝日新聞の記事で見て始めた」という人が多かった。
マスコミと両津勘吉巡査長にはとてつもない影響力があるのだ。
 
で、これらマスコミはどのような影響をわしという現役プレイヤーにどんな感情を与えているかというと……。
少々ウンザリである。
というのも、これらの記事やマンガでSLに参加することにした人の多くが「金儲け」をその第一の動機としていることである。新規参入したプレイヤーの多くが、我々のような少々経験において先んじたプレイヤーに対し、「お金を稼ぐ方法を教えてください」という質問をしてくるのだ。彼らの言う「お金を稼ぐ」とは、おそらく「現実のお金に換算してうれしいくらいの金額をゲーム内において稼ぐ」という意味なのだろう。
以前の記事に書いたとおり、1月もやらずとも分かってくるが、金をもうける方法はほとんどない。というか、商売やってもそう儲かるものではないのだ
朝日新聞の記事には月当たり数万円を稼ぐ日本人プレイヤーの話が出ているが、そんなに稼げている人がいたことにびっくりである。ひとつ当たり50円程度にしかならないコンテンツを、一日当たり相当なペースでさばかなければそうは稼げない。4万円と考えれば月に計800も商品を売ることになる。個人のプレイヤーでアイテムやコンテンツをうって、それだけの売り上げている人はおそらくトップクラスだろう、「よくいるプレイヤー」の域ではない
はっきりいって、金がほしいのならゲームにあてる時間分、現実世界で働いたほうが確実に効率がいい。朝日新聞の記事では1日辺り2億円の金が動いているなどとのたまっているが(まあ本当なんだろうね)、ゲームの参加プレイヤーは557万人とも書いてある。一日一人当たり40円未満の極めて小さな経済活動だ。
 
なぜこうも射幸心を煽られたような新規プレイヤーが多いのか。
それは間違いなくメディアが偏った情報を流しているためである。メディアはSLと金を結び付けすぎている
テレビにしても新聞にしても、SLについての報道は「ゲームのお金が現実のお金になる」という点、「新しいビジネスが生まれる可能性」という点が中心であり、逆に言えば他の部分については、まず触れていない。確かに上の2点はSLが他のオンラインゲームと比べて突出している点ではあるものの、それが全てではない。わし個人にとっては「ゲーム内で自由にプレイヤーがアイテムを作成できる」という点こそが魅力である。「売る」事ではなく「創る」ことが楽しいのだ。
おかげで、L$と\のレート、SLの物価が分かってないようなプレイヤーが恥ずかしげもなく「金儲け」を聞いてくる。おそらく彼らは我々もそういうプレイヤーなのだろうと勘違いしている。まあ、このようなプレイヤーは、かつて書いた「仮想世界の現実」により、遠からず撤退することになると思うが。
以前書いた文で「金儲け目当ての勘違いした人たちが来る」とは書いたが、ここまで予想通りの展開だと悲しくなってくる。外れてほしい予言だったのだが。
この次にSLの新規参入の波が起こるきっかけはなんだろうか?やはり日本語版の導入か?それとも他のメディアによる宣伝効果か?
なんにしても正しくSLの魅力が伝わっていなければ、わしががっかりすることに間違いはないだろう。
 
おまけ――
ないないと言い張っている「金儲け」だが、実は心当たりがないでもない
それは「土地取引」である。以前に書いた文章で、SL内に広告目的の店舗を構えるとして、その広告効果に関する基準が不明瞭であるという話を書いた。
その広告効果に対する評価を現時点でおこうなうとすれば、それは間違いなくSIM(大きな土地の区画。仮想世界内において1SIMは6万5千平方メートルのサイズの島である)の交通量や滞在人数である。SLには各SIMごとの交通量を計測する仕組みが存在しており、どのSIMが人が集まる、すなわち広告効果のあると見込むための基準とすることが可能だ。
広告効果を求めて(あるいはSLでの商品売買とて人通りの重要さは同じか)店舗を出店するのであれば、当然既存のSIMで交通量の多いSIMの土地こそがうってつけと考えるであろう。そういうSIMの地価は高騰するだろうし、土地のレンタルにしても高いレンタル料での賃貸が見込める。そういう人気SIMを作ることが出来たSIMの管理者ならば、ちまちまと小物を作ることなどなく、現実の大金を稼ぎ出すことが出来るだろう。金儲けとしてはこちらのほうが現実的である。土地のレンタルや取引にいちいちL$を使うこともないしね。
まあ、SIMの保有には約20万円の土地購入費と、月当たり3万5千円程度の管理費がかかる。冒険したい人はやってみればいい。
また、コンサルタント業というやつも儲かるのではないか、SL参加時に出会った個人事業主様方はやはりこれらのことを商売にしようと考えていたようだし。仮想現実のお金を介さない取引のほうが間違いなく金になるのだ。
で、一度テレビで見たのだが、(確か)社名の出てこなかったコンサルタント会社だが、SL内での店舗出店など「全面的な」コンサルタントを業務にし、そのコンサルタント料金は50~500万円であるという。テレビ側としては「SLと金!」を押し出したかったのだろうから、とにかくインパクトのある料金を提示した会社にクローズアップしたんだろうが、500万円でどんなサービスをしてくれるのかわからん。正直暴利だと思う。SLオンチ相手に荒稼ぎをする気なのだろうか?
当面SLでの最大の広告効果は「こんな企業も参入してます」って、マスコミ各位に持ち上げてもらうことだ。目的地に好きなように、瞬間的にワープで来てしまうSLにおいて、仮想空間内の店舗出店など、国道沿いの大看板ほどのPR力もないと、わし個人は思っているので。
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