劇場版

いやはや、実に2ヶ月以上ぶりの更新になってしまった。
この間、何も思うものがなかったわけではないのだが、関心の向くところのメインが疑似科学批判やら超常現象批判などに偏ってしまっており、そういったことに関する批判を主体としてないこのブログが、超常現象やら陰謀論、血液型性格診断だか人間学だかの批判の一極集中になってしまうのはどうも気が引けたので更新をしていなかった。
ここ1,2週間の関心は、もっぱら『24』シーズン5の一極集中放送なのだが、今日はそれについては書かない。特に書くことないし。あえてあげるとすれば、シーズン5のCTU支部長のビル・ブキャナンは歴代の支部長の中でもダントツにいいやつだなあ、というのと、シークレットサービスのアーロン・ピアーズは今回大活躍だなあ、という2点に尽きるのである。
 
それはさておき先日、フジテレビでは『踊る大捜査線 THE MOVIE』の放映をしていた。なんでも『踊る大捜査線』シリーズの10周年だそうだ。
普段ドラマをほとんど見ないわしは、このシリーズのドラマをみたことがない。映画化されているし、かなりの人気ドラマのようだ。
ただ、劇場版映画を見る限りそんなに面白いと思えないのだ。
これまでピンきりまでみたのは「THE MOVIE」の1作目のみで、これは2時間程度の長さの中に3つも事件を詰め込んだ上、3つの事件のうち2件は誘拐事件と連続猟奇殺人事件。それぞれを一本ずつ映画にして持て余しかねない重大事件を盛り込んだために、一つ一つの事件が恐ろしく薄っぺらくなっている。まあ、湾岸署内窃盗事件はシリアスさよりもユーモラスさを取った事件なので、これだけは3つの事件の中でも実にきちんと収まっている感じはするが。
残り二つの事件に関してはどうにも煮え切らない。「インターネット」と「猟奇殺人」と「少年犯罪」を何となく先入観で作ったようなもので、犯人の人間像は適当なのだ。はっきりいえば「劇場版」に相応しく思えるような豪華な感じのする事件で飾ったという印象である。これだけ豪華な事件と主人公の名台詞があれば、映画紹介を書くのに実に苦労しなかったのではなかろうか。
そんなこんなのわしの万感を詰め、知り合いに「この劇場版っての実にひどいね」と話をしたところ、「2もひどい」とアドバイスを受けた。
で、いつもはテレビでやってても、ザッピングついでに見ているのでつぎはぎにしか見ていなかったこの「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ」を見た。2時間30分以上かけて。
で、どうだったかというと、まあ前評判通りの代物であった。
以下はネタバレを含むことになると思うので、まだ見てなくて展開などを知りたくない人は、読まないことをお勧めする。
 
連続殺人事件
これがこの映画のメインとなる事件である。というよりこれ以外の2件の事件はあってもなくてもいいような扱いだった。
河川敷で発見された第一の他殺体は包帯で巻かれた上に、SMの縄によってくもの巣に引っかかったかのようにディスプレイされて発見された。これはビジュアル的に相当インパクトがある。そしてその次には他殺体がたくさんの花の中に放置された発見された、だったかなあ?何か記憶が曖昧だ……。
この共通項の見られない2件を連続殺人として認定し、本庁からキャリア様が管理官としてやってくる的な展開である。ちゃんと見てたはずなのになんで連続殺人と認定されたのか思い出せない……。
犯人は特に意味があるとも思えない電話での接触を警察と持ち(結局何らかの要求や政治的な意味を持つ犯行声明、意思表明などしなかった)、彼らとの交渉に交渉人第1号の真下が湾岸署に凱旋する。交渉するような要求も出てないのに
その後、目撃者だかなんだか(また覚えてない、ちゃんと見たつもりなのに)を護衛するためにパーティに所轄の私服警官が配備され、覆面状態での警備に当たる。
そこに現れる3つの事件の容疑者。アットホームな家族が総出でスリをやってる集団と噛み付き魔、そして殺人事件の犯人。殺人事件の容疑者らしき犯人を監視カメラで捕捉、話し声を盗聴すると、それ以前のどこかで(どこ?)出てきたキーワード「かめだ」というキーワードを喋っている!
犯人に最も近い青島刑事とスミレさんはそんな状況下、それぞれ噛み付き魔とスリ団が犯行に及ぼうとする姿を捉えるも、殺人事件を重視する管理官に殺人事件の容疑者(二人)の確保を優先するため、事件の看過を命令される。命令に従う二人……。
この辺は結構熱い展開で好きなのだが、ここ以降の展開はそんなに熱くないし、リアリティや合理性にかけるためにサスペンス的な緊張感もない話になってしまっている。
ここで現場に緊張が走るきっかけとなったキーワード「かめだ」は、後々の展開で犯人が逃走に使う「蒲田トンネル」(工事中)のことである、と判明するわけだが、なんでそんな逃走経路についての発言をしていたのかは謎である。しかも結局パーティー会場では何もせずに姿を消す。何しに来てたのだろうか。
しかも蒲田トンネル、お台場に入る交通機関の全て封鎖した警察の網目をかいくぐる意外な逃走路として登場するわけだが、何でそんなものを事前の段階で既に用意していたのか全く謎である。
というのも、蒲田トンネルというのは工事中で徒歩で抜けなくてはならないし、何よりも道路が全てふさがれるという相当緊急的な措置がなされない限りは使う必要がないのだ。実際に話の中では道路封鎖をされたから意味のある逃走経路となったが、どう考えてもご都合主義である。そのトンネル名を犯行現場でたびたび口にするというのも、いまいちよく分からないし。
道路封鎖も意味不明である。お台場から犯人を逃さないのであれば、検問をしけばいいだけのことで、レインボーブリッジを含め全てを通行止めとする封鎖など意味がないのである。レインボーブリッジの真ん中を封鎖しようとするあまり、色んなお役所の認可申請が仇となっていつまでも橋を封鎖できない……、という組織の脆弱性を語るエピソードの材料になるわけだが、だったらお台場から橋に至る道を封鎖すればいいだけのことじゃないのか、と思ってしまう
まあこれには犯人が特定できていなかったからという理由付けは出来るかもしれないが、それなら道路封鎖をしても同じことだし、お台場で混乱が起きるのは間違いない。それこそそんな無茶を指示した管理官の責任が問われそうだが、ここではそのはなしが一切出てこない。
最終的に現場の遺留品である「洋ナシ」が「用無し」と転じ、「リストラされた社員」と化けて犯人の人間像が割り出されるのだが、そんな変なヒント出すくらいなら最初から電話で自分たちの思想を表明するものではないのだろうか? どうにも腑に落ちない。
しかも犯人グループ、最後の最後には自分たちの車を降りてまで青島刑事に勝利宣言する。この時点では既に顔も名前も特定されていて、喜んでる場合じゃないのだが。
 
■そのほかの事件
そのほかの事件は前述の通り「噛み付き魔」事件と「アットホームな家族ぐるみでのスリ」事件である。
これは本当におまけかそれ以下の扱いで、これらの事件が話の中で生きてくるのは青島刑事達の葛藤のエピソードとスミレさん(青島がそうとしか呼ばないから苗字不明、深津絵里の役)が子供を庇おうとするシーンであるが、それをわざわざ話の中で殺人事件と同列にする必要があったのかは疑問だった。殺人が重要であるといいたいのではない。エピソードの中で重要度がない事件に前もって時間をかけてまで観客に説明する必要があったのか、そういう意味で疑問である。そんな前説がなくても、青島刑事達の現場での葛藤は十分描けただろう。前の劇場版のように同時にいくつも事件が起きている、ということを強調したかったのだろうか?
噛み付き魔は特に扱いがぞんざいな事件であった。
 
■SAT
SAT(特殊急襲班。ハイジャック事件などで活躍)の扱い方も酷くいい加減だった。物語中、最も役に立ってない印象さえある。素人の湾岸署の面々にしてやられるのも情けないし、序盤で見せるクリアリングのシーンも素人目から見てもいかにも適当(これはシナリオとかの問題ではないな)。だいたい、拳銃一丁持ってる逃亡犯相手にSATの出動はあまりにも大げさすぎる(しかも結局人質がいるので手を出せない)。単に特殊部隊が出ると見た目が豪華になる、というせこい目論見で引き出されたようにしか思えない。
 
何か悪口のオンパレードみたいになってしまった。
まあ、これがなんで人気あったのかわしには理解できないという気持ちの現われだと思っていただきたい。そしてもうひとつ付け加えるならば、「踊る大捜査線」は、犯罪と犯罪捜査に関わる部分に問題があると思うがそれ以外の部分は面白いということである。署長の不倫とか、仕出し弁当屋の談合とかは笑った。もっと犯罪を描かない面白い「大捜査線」をぜひ見たい。
来週には他のスピンオフ作品2作もやるということ、「交渉人 真下正義」はピンきりではないものの、見た記憶がある。これもやはり犯罪とその捜査に関する部分で大いにひどいできであった。またもう一回見ておこうと思う。最後の「勘です」ラッシュの酷さは抜群である。
 
おまけ――
この「大捜査線」は「パトレイバー」の影響を受けた作品とのこと。確かに物語に出てくる要素は共通しているものが非常に多いが、はっきりって作品の質が俄然低い。みんなパトレイバーを見よう!  ていうか、パトレイバーにあやまってくれぇ……。
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