1と10

トンデモな人を見続けていると、そのジャンルはともかくなんというか一つの傾向が見受けられる。
それは「1がいいと思ったから、10を支持する」である。
 
トンデモな人は、その珍説・奇説に「よい思想」というものを絡めてくることがある。
特にニセ科学関連では道徳観の成就を科学(っぽいもの)で解決しよう、説明しようという考えが多く、根源が「善意」であることが伺えるものが結構ある。
で、だ。
ニセ科学的なものやオカルトを信じちゃう人には、そういう「善意」の部分が好きだから、その説のほかの部分がどんなに破綻していても支持してしまっている人が多いように思える。
先日、本も読んでみた「水は答えを知っている」にamazonで星を多くつけている人の中には、これが科学的に証明されていない話であるということをわかった上で、支持している人がいる。
それは詰まり、この本で書かれている「ありがとう」という言葉は「良い」だの、「クラシック音楽は良くて、ロックは悪い」だのといった(突き詰めれば「きれい」だと感じる外見のものは良いという領域まで達する。ブスは悪なのかね?)思想が自分にとって良いと思うから、これを支持してしまうのだ。
 
ニセ科学関連じゃなくオカルトで例を挙げれば、最近日本でメディア露出の高いジュセリーノ
結局のところ彼の与太話を信じる人間も、その予言が外れまくってることや、予言してる本人が外れても開き直るさまを見せ付けられても信じることをやめずに、「未来へ警告している」ことが重要だから、と論点をずらしていってしまう。
未来に対して危機感を抱くということに、普通は予言なぞいらないわけで、当然「デタラメな予言をいってる迷惑な人」が垂れる説教じみた警告なぞ聞く気にはなれない。
 
同時多発テロ自作自演説を旗印に平和運動をやっているきくちゆみというひとは、人がとってしまうそういった行動を極端にしたような人だと思う。
もともと反体制的というか、現在まかり通っているものに対して「それでいいのだろうか?」というような疑問を持った人なのだと思う。
それ自体は決して悪いことではないんだけど、だからといって現体制を批判するもの、現在広く知られている、支持されているものに反対さえしていれば何でもウェルカムというような態度をとってしまっているのは問題だ。
 
9.11自作自演説でいえば、とにかく反アメリカ、反ブッシュ的なスタンスであればその信憑性に対してなにも疑問を抱かずに無邪気に信じている。
彼女が紹介してきた複数の自作自演説は、結局のところどれが本当かわからない。
それぞれが矛盾するような複数の説をとにかく紹介していて、一貫しているとはいえない(ビルが如何に破壊されたかについてだって、ミサイルや爆弾、公式発表どおり飛行機だけどそれはあくまで米政府主導による、など意見が分かれている上にそれぞれの説を決定付ける証拠は無い)。
だが、おおむねのところでアメリカの現在の体制への批判になっているからOKとしているように思える。
 
彼女を支持する人もそうだ。
おそらく多くの人が自作自演説を声高に叫んでいるから、という理由で彼女を支持しているだろうが、「若くしてなくなった後、意識体となったマシュー君が銀河艦隊司令官ハトンの声を伝えてきた結果、同時多発テロは陰謀であるとわかった」(これはきくちゆみという人を悪く言うためにわしが作った創作電波話ではない。彼女が信じている話の一つで、この話がきくちゆみの同時多発テロ自作自演説の根拠の一つである)といった話をどれだけ信じているのやら。
もしわしが同時多発テロ自作自演説に染まった人間だとしても、こんな電波系の話も信じちゃってる人を支持しようという気にはならないだろう。
 
完璧に考えが自分とマッチする人などまずいない。
「この人はAについての考えでは根拠や論理展開は筋が通っているし、賛成できるが、別の事柄Bについて考えでは賛成できない」というのは往々にしてあって、それが当たり前なんだと思う。
だが、「この人のAについての結論が好き。しかし結論に至るまでの過程や根拠は意味不明だ。」のであれば、それは支持するべきではないと思う。
 
地球温暖化を憂う人がいて、その人が温暖化の原因が「猫の暖かさ」にあると論じたときはどうだろう?
当然却下である。
地球温暖化が問題だという意識を支持するとしても、猫のせいだと考えている相手なら、対処法について同意に至ることは無いだろう。
今後この人と対話をするというのなら、それは「猫のせいじゃないと思います」というところから延々と話していくことだろう。
 
くだらないたとえ話でいえば、そういうこと。
 
おまけ――
こんなきくちゆみが一部の高校や大学で講演をしているというのだからたまらない。
「判断するのはあなた達です」といいながら、偏った情報しか授けないのは明らかに誤りである。
果たして彼女は講演先で「マシュー君」の電波話まで包み隠さず話しているだろうか?
そこまで話しているなら逆に安心なんだが。
それにしても銀河艦隊って何
地球に偉そうに説教電波を発しているわりに、艦隊という軍事組織を手放せないところを見ると、それほどたいしたやつらではあるまい。
広告

「1と10」への1件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中