獣と人

まあ前回の記事とは打って変わってアニメの話なんだけど、最近見ているアニメに「獣の奏者エリン」というのがある。局はNHK教育。

ワシ個人的評価は非常に高いのだけれど、周囲にこれを見てる人は残念ながらいないのである。いい作品だと思うのだが。

原作者は昨年ワシを熱くさせた「精霊の守人」という作品と同じ上橋菜穂子さん。守人シリーズは現在「虚空の旅人」まで読破。文庫版で早く続き出ないかね?

というわけで今回は獣の奏者エリンについて語る。みんなも見てくださいな。

大体のストーリー

主人公のエリンは10歳の少女で、母親であるソヨンと二人きりで暮らしている。母親の仕事は闘蛇と呼ばれる戦に使われる獣(巨大なトカゲのような感じ)の医術師。もともとソヨンは「霧の民」と呼ばれる異能(といっても文化が、というレベル。超能力者とかじゃないよ)のマイノリティ出身で、人によってはそのことにつっかかってくるような少々肩身の狭い思いをする立場。しかしながらそれに屈することなく有能な医術師として活躍するソヨンを見て育ったエリンは、自分も闘蛇の医術師になることを夢見る。獣の医術師としての現実を知るソヨンは、エリンが持つ危うい憧れを諭しながらも、エリンの持つ才能を伸ばす手助けをする・・・・・・・・しかし!

というのが前半のあらすじ。興味がある人はぜひ本編を。NHKだからすぐ再放送やると思います。

 

この作品がワシを魅了したのは、何よりもそのストイックさである。

少女と動物、という組み合わせであれば、普通はやっぱりハートフルというか、動物と人間の関係性にものすごいフィクションが存在する話になるものだと思う。まあ媒体にもよるんだろうけど、少女マンガやアニメ原作の話なら「動物に対する乙女の愛が!奇跡を!」みたいな話になるんじゃないだろか。角川映画あたりでもそうか。

「エリン」にはそういう甘い幻想がない。ファンタジーなのにある意味ファンタジーではない。闘蛇は所詮獣で、後に出てくる神々しさを兼ね備えた王獣と呼ばれるもやはり獣なのだ。それらは「音なし笛」と呼ばれる特殊な道具によって人間に使役される立場にあり、もし「音なし笛」がなければそのヒエラルキーは簡単に逆転する。物語中では人間のコントロール下を離れた獣たちが如何に危険であるか、というエピソードがふんだんに出てくる。

獣たちが危険、という話だけではなく、獣とそれを使役する人間との立場の優位性を保つために、人がどのようなっことを獣に施すか、というエピソードも出てくる。このあたりは猛獣とも愛情があれば万事OK!と考えちゃう子供たちや、子供じみた幻想に憑かれた大人にはちょっと重い展開ではある。だが、そういう人と獣の間に確かにある壁を正面から描いてるところが何よりの魅力だと思うのだ。

このストイックさというか厳しさは「風の谷のナウシカ」で見せ付けられるやさしさとは真逆だとおもう。姫姉さまは超巨大生物である王蟲と念話して分かり合っちゃったり、金色の野に降り立っちゃったりしているわけだが、エリンにはそういう展開はない。もちろん動物の世話をするものとして愛情は持つのだけれど、相手が自然には人の統制下に入るような生き物ではないために、確実な隔たりがある。

動物と接するのに愛情は必要なものの、それだけでは不十分で、人と動物の間のルールというのがあると思う。そこにしっかりと光を当てているのが「エリン」だと思う。

動物と人の間の距離感を物語に盛り込んだこの作品は、残酷さを感じさせるハードな展開もあるけれど、それでも子供が見る番組としてふさわしい作品だと思うのです。

おまけ――

こんな風に買いといて終盤の超展開によりエリンが姫姉さまよりの超常的なこと起こしちゃったらどうしよう・・・。すごいがっかりするだろうなあ。

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