リチャード小説を読んで その1 読みにくい編

先日ついに読み終わりました。
「小説911」「2012年 アセンションはやってこない」

これから何回かにわたって、リチャード・コシミズの「小説」について、そして各本のツッコミどころについて書いていきたいと思います。

今回は各本に共通している「読みにくさ」について紹介しちゃいます。

■読みにくい引用文

冒頭に書いたとおり、件の2冊は「小説」である。

フィクションを標榜している一方で、

実際の出来事と本書の内容を関連付けてお考えになるのは、読者のまったくのご自由です。
(『小説911』7p)

ともかいており、内容が事実であることをほのめかしている。

そのためか、説得力を付加するために参考文献のURLや引用文を話の流れをぶった切って大量挿入してくるのである。
参考文献のURLについては、巻末・章末にまとめてほしいものだが、文の途中に突如湧いて出るし、なかにはURLと文献のタイトルをさしはさんだ後、そのURLに書かれている文章をまるまる引用してくることもある。
しかも引用文と地の文の区別はフォントサイズがちょっと小さいだけで、パッと見区別が非常につきにくい。
うっかり「お、読みやすい文章だな」と思ったら要注意。そこは引用文である可能性が高い。
分量も尋常ではない。文章によっては1ページ分以上も引用文がさしはさまれており、驚くやらあきれるやらである。

また引用文のフォーマットが統一されておらず、読者を混乱させる。
インターネット上の文章についてはフォントを若干小さくして載せているが、リチャード氏自身のブログなどに寄せられたコメントや他者のブログの一文程度の引用についてはカギカッコでくくって記載している。
「これは誰のセリフなんだ?」と思ったらコメントの引用だったりしたこともあり、非常に紛らわしい。

これら煩わしい引用文から解放される個所もあって、それは一種すがすがしさをもたらしてくれるものの、それはつまりそこに書かれている内容については根拠が存在しないことも暗に示している。

■読みにくい変名

先ほども書いたがこの2冊の本はフィクションの小説である。
小説中には多くの人物が登場するのだが、実在の人間をモデルに変名で書かれた架空の人物というスタイルをとっている。
また、人物以外にも、企業、宗教団体、政党なども全て変名になっている。

これがすっごく読みづらい。
この本の内容をフィクションとすることで、モデルとなった人物から訴えられないように予防線を張ったということなのだろうが、今まで名指しで言いたい放題言った動画を公開しても訴訟になったためしがないんだし、いらん心配だと思うのだが。

変名は以下のようなものである(あくまで一部)。

  • ロスチャイルド →ロートシルト
  • ロックフェラー →ロッケンフェルター
  • デーブ・スペクター →デーブ・ズベグダー
  • 叶姉妹 →狩野姉妹
  • ビン・ラディン →ビン・ラティン
  • 小泉純一郎 →鯉墨腎一郎
  • 文鮮明 →聞鮮明
  • ブッシュ →プッシュ
  • 竹中平三 →嶽仲弊三
  • リチャード・コシミズ →K
  • 荒田吉昭大阪大学名誉教授 →A教授
  • 自民党 →自眠党
  • 公明党 →昏迷党 (『2012~』では公迷党)
  • 民主党 →民衆党
  • 国民新党 →新国民党
  • みんなの党 →みなさんの党
  • 読売新聞 →黄泉瓜新聞
  • 統一教会 →統率教会
  • 創価学会 →総和学会

この他にアルファベット3文字の組織は基本的に1文字目を繰り返して表記して書かれている(例:NHK→NNHK)。カタカナ表記となる海外を中心とした企業は濁点を削ったりくわえたりといった形で書かれており、すごくくどい。
鯉墨腎一郎」「嶽仲弊三」などはまるで暴走族のセンスである。使われている文字のイメージに、著者が持つ、モデルとなった人物に対する憎しみがにじみ出ている。
リチャード氏は自身を「K」と表記、右翼団体の皆さんからつけられた「リチャード・コシヌケ」あたりを使えば面白かったのになあ。
なんでデーブや叶姉妹が911陰謀論を書いた本に登場するのか疑問に思われる方もいるだろう。
この3人はほんのちょっと端役で陰謀組織の関係者として出てきている。

で、この微妙な変名が本書では余すところなく登場する。引用文にまで
インターネット上の文章(ちょくちょくリチャード氏自身のHPの記事も出てくるが)を長々と引用していることは先に示した通りだが、その引用文に出てくる名称まで変名になっている。こうなってくると「引用」といっていいのかも怪しい。しかもこの方針もまた統一されておらず、文章によっては変名で書かれているし、実名のまま書かれている引用文もあり、なにがなんだか混乱させられる。

この表記方法に混乱しているのは読者だけでなく著者も同様であり、民主党の枝野幹事長が「江田野」と変名で書かれた次のページでは「枝野」と実名に戻っていたりする。
しかも極めつけは次の文章

みなさんの党の正体などとっくにばれている。だから、みんなの支持率は2%なのだ
(『2012年 アセンションはやってこない』322p)

「みんなの」とは「みんなの党」の脱字だろう。たった一文で変名と実名をたがえるとはひどい。

リチャード氏の小説の読みにくさについては以上の2点が特に目立った点。
文章で書くと、どうってことないように見えるかもしれないが、実際に読んでみればその煩わしさがいかにすさまじいかわかっていただけると思う。

次回は……たぶん内容の面で共通する特徴について書くと思います。

おまけ――
今回読んだ2冊、いずれもAmazonのマーケットプレイスにて中古で購入しました。
両方とも大体1500円。とてもきれいな状態でした。
やはり買って一読して売り払った信者か、布教用に渡されたものを即売りとばしたのではなかろうか(「2012~」には初版1000部限定のDVDがついてました)。

次に買うべきは過去の本だろうか……。

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