2011年東京都知事選挙政見放送の話

今回はリチャード・コシミズから離れた話題に。

都民ではないのだけれど、都知事選挙には興味をもっていました。

候補者と結果は以下の通り

名前 党派 職業 票数
石原 慎太郎 無所属 現職 2,615,120
東国原 英夫 無所属 無職 1,690,669
わたなべ 美樹 無所属 会社経営 1,013,132
小池 あきら 無所属 政党役員 623,913
ドクター・ 中松 無所属 国際創造学者 48,672
谷山 ゆうじろう 無所属 映画監督 10,300
ふるかわ 圭吾 無所属 会社役員 6,389
杉田 健 新しい日本 政治団体代表幹事 5,475
マック 赤坂 スマイル党 財団法人会長 4,598
おがみ おさむ 東京維新の会 僧侶 3,793
姫治 けんじ 平和党核兵器廃絶平和運動 建物管理業 3,278

「天罰」発言はあったものの、現職の石原慎太郎が大量得票して当選という結果。

もちろん、興味の方向性は通常の都民とは異なり、基本的には政見放送を楽しもうという根性である。
と、いうことで内容的に普通な政見放送だった人たちについてはここで話題にはあげないのであしからず。

今回は候補者の中でも政見放送が印象に残った3名、「ドクター・中松」「マック赤坂」「杉田健」について書いておこうと思う。

◆ドクター・中松

今回は「完全無所属」とのこと。
参議院選挙で幸福実現党から出馬したことを後悔したのだろうか。

先だっての地震に便乗するような形で「地震・津波・原子力・新エネルギーのプロ」を自称。

東京大学で地球システム工学を学んだ地震のプロらしい。
でも卒業したのは東大工学部でも石油工学科らしい。本当に地震のプロを名乗って大丈夫なのだろうか?

戦時中海軍で津波を研究した津波のプロらしい。
1928年に生まれたドクターは17歳で終戦を迎えているはずなんだが、そんな若さで研究者だったとはさすが天才は違う。

原子力については、1956年に日本で初めて原子力事業株式会社を立ち上げたからプロらしい。
「したがって、どうやって汚染を防止するかということはよくわかっております」というが、株式会社を立ち上げただけで汚染防止がよくわかっているといわれてもねえ……。

1950年に世界初のソーラーの発明をした、すなわち新エネルギーのプロらしい。
どんな発明をしたのか全く不明だ。
「ソーラー」を太陽光発電と理解していいものかも疑わしい。
話の通りなら、1950年にソーラーの発明をしたけど、その6年後には原子力事業の方に手を付けていることになる。
「ソーラーの発明はだめだった」ってことじゃないのか?

水で走る車も作っており、新エネルギーのプロ度が高いらしい。

ハーバード大学で「アイジ―ノーベル賞」(なんでイグノーベル賞って言わないんだろう?)を受賞し、同大学より「世界で最もかしこい人(The Great thinker)」に選ばれたという。
探してみてもドクター中松自身の発信以外の情報ではそんな事実がどうにも見つけられない。
彼を取ったドキュメンタリ映画の紹介記事で「great thinker」の単語は見つかるが、「ハーバード大でThe Great Thinkerに選ばれた」(そもそもハーバード大はそんなことやってるのだろうか)とか書いてあるわけではないようだ。
ハーバード大から受けた称号としてではなく、ごく一般的な「偉大な思想家」といった意味の単語として、変人を皮肉交じりに指した言葉として使われてるようにしか見えない。

◆マック赤坂

相も変わらずのマック節。
基本的には「言い方やないか!!」とツッコまれそうなスピーチとアクション・顔芸で迫ってくる。
話の内容は主にスマイルセラピーを都でやるということ。
そして、「歌える東京都知事」「踊れる東京都知事」「スマイルができる東京都知事」としてマック赤坂をアピール。
大地震間もなくで(間もなくじゃなくても)誰もそんなものを求めてないだろうに。

ラストには「私には後がありません」といつもよりも切実なお願いが飛び出していたが、その割には落選してきたこれまでと特に変わらない内容とパフォーマンスの政見放送(締めもお約束の「スマイル!」)。
この人には本当に勝つ気があるのか疑わしい。

ちなみに今回の都知事選の政見放送で東北関東大震災に触れなかったのはマック赤坂とふるかわ圭吾候補の2名。

とはいえ、ふるかわ氏は政見放送内で2020年のオリンピックを東京ではなく仙台に招致するべきだという趣旨の発言をしており、それは震災後の復興を意識していたためと思われる。

それに比べるとマック赤坂は完全に触れていない状態。
なんという神経の太さだろう。

ちなみに手話については、正真正銘マック赤坂だけがつけていなかった。
手話の人がマック氏と一緒になってアクションしてたら面白かったのになあ。

◆杉田健

今回注目していなかったがために、もっとも驚かされた候補者。

一言でいえばホラーである。

頻繁に原稿へ目を落としながら淡々と話す杉田氏。
丁寧に、聴衆が聞き取りやすいよう話すことに神経を使っていることがわかる話し方で、話す内容はごく普通。

あたりさわりのない内容で、悪く言えば印象に残らない話であり、最初この人の政見放送を見てる間「良くも悪くも特徴のない候補者だな」くらいに思っていた。

ところが、政見放送のラストにこの印象がガラッと変わってしまう。

「そして最後に、掲示されたポスターの中のコンパス・方位磁針の写真は、人体を蝕む強力な電磁波の実際の姿です。
これを発生させる装置が、東京の街中に数十年来埋まっています。
わたくしたちはこれをどのようにすべきなのでしょうか?
日本に、この東京の街に、このような愚かで恥ずかしい装置はもういりません。
すべてを明らかにし、廃棄すべきです。
まずは公開の場で大いに議論をしていただきたいと存じます。
外圧には決して頼らない、日本自身の問題の解決。
自立と活力。わたくしはこれを求めているのです。
東京都の将来、日本の将来、そして人類の未来はわたくしたち一人ひとりの行動に託されています。」

これを最初に聞いた時、何か自分に落ち度があるのではないか、と思ってしまった。

杉田氏は常識からはかけ離れた、それまで聞いたこともないような話(少なくとも自分にとって)をしているのにもかかわらず、具体的な説明もないまま東京都の電磁波装置(それがコンパスの写真とどう関係あるのかも全く分からない)について滔々と語り続けているのである。
改めて説明するまでもないような、常識的な話題であるかのように。

「誰も知らなかった真実」を知らせようというテンションではなく、「タブーとなっているがみんなに知られている政治の話」について語っているかのようなテンションである。

まるでこの話についていけていない方が悪いかのような、「常識的な知識の不足ゆえの疎外感」さえ味わってしまった。

ハローバイバイの関暁夫が勿体つけてしゃべる都市伝説を聞いても特にどうとも感じない(フリーメーソン陰謀論とか馬鹿じゃないかとは思う)。

リチャード氏が陰謀論を大きい声、強い口調で語っているのも、本能に訴えるものは少ない(デタラメなユダヤ陰謀論で馬鹿じゃないかとは思う)。

ドクター中松やマック赤坂の政見放送は何もかもがおかし過ぎて単純に面白い領域に収まっている。

が、この杉田氏の政見放送にはゾッとしてしまった。
ほんの少し、ほんのわずかなボタンのかけ違いだが、他のものがごく当たり前であるだけにその一箇所の異常さがどうしようもなく際立って、不気味に印象付けられるのだ。

普通にしゃべり続けるだけなのにもかかわらず、圧倒的なまでの異常さを感じさせた杉田氏。
得票数5,475は彼の異常な話をごく当たり前な話として受け取っている人の人数なのかもしれない。

おまけ

東国原英夫、「無職」って! 確かにそうだけど!
おがみおさむ氏は過去に「神田川 銀河系宇宙人の地球日本研究」って本書いてるらしいんだけど、どんな本!?
今回の選挙で党派に所属してるのは泡沫候補ばっかり!
政見放送をみたい人はYouTubeにアップされてると思うのでそちらでどうぞ!

以上!

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