善意の解釈

(独立党的には裏社会の重要な下部組織である)統一教会の教祖文鮮明の死を「世界の夜明け」と表現し、大喜びをしたリチャード氏であったが、そのわりに裏社会が衰退したと感じさせる気配はない。

田中眞紀子が民主党代表選で野田佳彦再選を支持したのが陰謀ならば、松下金融相の死も陰謀なのだそうである(あとあと暗殺しなければならないような人間をなぜ裏社会は入閣させたのだろう?)。
そして、現在の尖閣諸島をめぐる反日暴動。
ちっともよくなってる気配はない。

今回はそんな荒れる中国に対するリチャード氏についてみてみる。

◆単純に「親中派」ではない

反米・反イスラエル・親露・親中というのが、ざっくりとしたリチャード氏のスタンス。
アメリカの属国から脱し、ロシア・中国・韓国らと対等な関係によって東アジア共同体を築きあげるというのがリチャード氏の理想である。

しかしながら中国政府の態度あるいは主張が必ずしも日本の国益に沿うわけではないので、中国のやることなすことであればなんでもOKとはいけないところが、「本物の愛国者」を自認しているであろうリチャード氏の辛いところだ。

しかしそんなことにめげていては、物事を二元論的に理解する陰謀論者というものはやっていけない。

リチャード氏は中国国内にもマイノリティが存在することに目をつけ、そのマイノリティたる「客家(ハッカ)」や「法輪功」に中国の悪いところを押し付けることで、中国が日本にとって都合の悪い動きを見せるたケースがあっても、「中国=悪」という図式にはまらないようにすることに成功したのである。
日本では「在日」「部落」が悪さを働いて「普通の日本人」に不利益を与え、中国では「客家」や「法輪功」が「普通の中国人」や日本に悪さをする、ということで中国の問題ある部分について批判をしても、独立党的日中友好の精神は保たれるのである(もちろん、リチャード氏のように物事をやたらと二極化させて考えるようなことをしていなければ、そもそもこんなことに葛藤を抱く必要はないだが)。

この、胡錦濤ら鄧小平派を味方、習近平ら江沢民派を裏社会に与する敵と二分化により、中国の動きを分かりやすく単純に理解することができるようになるわけだが、どうしても胡錦濤側の判断が日本に不利益を与えたり、あるいは友好的ではない場合もあるにはあるのである。

だがその場合には「善意の解釈」という力技が飛び出し、リチャード・コシミズ日中友好の精神は平衡状態を保つのである。

 

◆善意の解釈① 権力闘争編

今年、2012年4月の話になるが、中国で詐欺罪により死刑判決を受けていた女性実業家が審理差し戻しによるという出来事があった(参考:『習近平一派が口封じ目的で死刑執行を急いだ女性実業家が執行延期』)。
彼女の死刑判決には汚職を隠ぺいしようとする習金平の圧力があったといわれ、差し戻しには胡錦濤側が阻止しようという意図があったとわれている。

リチャード氏はこの事件を「胡錦濤の勝利。いい傾向です」とコメントしているが、どちらの陣営も権力闘争のために司法に口出しをした形になるのであまり褒められたものではない。

結局彼女は死刑から執行猶予付き死刑へと減刑。
猶予期間中に問題がなければ無期懲役へとなる見通しとなった。
あまり救われているようには見えないが、リチャード氏は大喜びしている。

 

◆善意の解釈② 中国当局の言い分編

こちらはもうちょっと最近になって7月。
尖閣諸島にむかわんとする運動家たちが当局によってその活動を阻止された時のことである(参考:『尖閣抗議船の出航を阻止=「撃沈の恐れ」と中国当局』)。

もちろん尖閣諸島行きを阻止したのには、日中関係をこじらせたくないという中国当局の思惑があったのだろうが、この際に中国当局は「今は休漁期なので出向は許可できない」という理由のほか、「日本の巡視船に撃沈される恐れがある」という理由を挙げたという。

その後に起こった尖閣諸島上陸事件や、あるいは2010年の尖閣諸島漁船衝突事件での日本の対応を考えれば、いくらなんでも撃沈はあり得ない。
この中国当局の言い分には日本政府に対してかなりトゲを含んだものだったのだが、リチャード氏はごくごく単純に「縊死原右翼偽装トロッキストらの挑発には乗らないぞと意思表示している」と解釈している。
当局側の発言の微妙なニュアンスに気づかなかった可能性も高いが、かなり前向きである。

◆善意の解釈③ 情報規制編

上記の二つの話については、少々難くせつけてる感もあるのだが、中国当局が行っている情報規制にこの善意の解釈があらわれるとさすがに露骨に感じてくる。

え、中国が「反日デモ報道」を規制?』からリチャード氏の考えを読み取るならば、「ユダヤ裏社会に対抗するためならば情報規制はあり」ということである。
中国の平穏を守るためなら情報規制も良しとするあたり、懐が深い、深すぎる。
もし日本政府が似たようなことをすれば絶対に騒ぐクチだろうに、中国政府には随分と優しいもんである。
この優しさの半分は「正義のため」でできており、もう半分は「対岸の火事」でできているように思われる。

 

◆善意の解釈④「暗殺」の首謀者編

習金平が「背中を痛めた」ということでヒラリー・クリントンとの会見が中止されたというニュースが伝えられたときに、単なる事故や負傷ではなく、暗殺なのではという推測も飛び交っていた。
結局2週間程度で公務に復帰したため、それほど深刻なことが起きたのではなかったようだが、様々な推測が飛び交っていた間、リチャード氏は暗殺疑惑について一つの仮説を立てている。(参考:『習近平、暗殺未遂?』)

いわく失脚した薄煕来の復讐ではないかとのこと。

もし習金平が暗殺によって死亡したり、あるいは一命は取り留めても再起不能となった場合に最も得をするのは胡錦濤側だと思うのだが、その可能性については全く言及していなかった。

 

◆反日デモ習金平陰謀説

そして今回の反日デモ。
いわく習金平側がデモを暴動にまで発展させており、黒幕は当然ユダヤ人であるとのこと。

根拠としてデモ参加者に警察関係者が混じっていることが挙げられている。
だが、その警察関係者が習金平側である根拠といえば、「習金平は人民解放軍や警察に人脈があるから」というかなり適当なもの。
胡錦濤側には警察人脈が全くないわけではないだろうし、そもそも政権を運営しているのが胡錦濤派なのだから、デモに警察官を送り込むよう指示することだってできるだろう。
そもそも、そのデモにまじっている警察官が暴動を煽る為にデモに参加しているのか不明である。
デモの参加者の雰囲気や動きを上層部に把握させるために、デモにまじって様子を実況しているだけかもしれないし、政府の都合に応じてデモを止めるために送り込まれている人間であるかもしれない。
警察官がデモにまじっているというだけでは、習金平一派がデモを煽っていると決めつけるのは難しい。

また、デモの参加者の中に薄熙来の復帰を求める声があることから、「反胡錦濤=親習金平」とリチャード氏は考え、デモを習金平一派の仕業とする根拠の一つにしているが、これもそう簡単な話ではないだろう。
薄熙来の復帰を求めるというのは、中国内部の話。反体制であって反日ではない。
薄熙来の復帰が反日デモを行っていた人たちの総意であるとは考えにくいし、これら極左の人間が完全に習金平の統制下にあるのか自発的にやっていることなのか判断のつけようがない。

話は若干変わるが、『実は、今回の「反日デモ」騒動の背後に米国が介在していると見る中国人がかなりいて』という記事では、駐中国米大使の車が暴徒に囲まれ、車が軽く破損したという事件について、リチャード氏は「今回の「反日デモ」騒動の背後に米国が介在していると見る中国人がかなりいて、真相を探っているようです」などと解釈している。
単に勢い余っただけではないだろうか。

 

◆「理性愛国」は大丈夫らしい

中国で反日暴動中国人の一部の人間の手によるものであり、暴力的な運動に反対し、反日デモや暴動を冷めた目で見ている中国人たちがいることや、非暴力的な「理性愛国」を訴えて活動している人々がいる。
そのことはリチャード氏自身も把握しており、『中国の反日デモ後に出現した学生諸君。』でリチャード氏は「理性愛国」を訴える学生らを好意的に評価し、紹介している。

この『中国の反日デモ後に出現した学生諸君。』を読んでいて気付くのは、この中国の非暴力的なデモを暴徒化させる裏社会の陰謀はないの?ということである。

なにしろ日本で行われてきた反原発や小沢一郎擁護といったデモはいずれも非暴力的なものであったが、それらのデモに対して「暴徒化させる陰謀がある」などと騒いできたのがリチャード氏である。

「理性愛国」の彼らは暴力的なデモ活動(暴動)に対して反対しているものの、尖閣諸島は中国の物であるという政治的なスタンスは変わっていない。
もしもこのデモまでも暴徒化させることができれば、日中の対立に大きく寄与することになると思うのだが、裏社会はそれをしないのだろうか?

というか、王子製紙工場排水をめぐるデモなど、実際にデモ活動が暴動に発展しているケースは中国で起こっているのにもかかわらず、リチャード氏はこれまで日本のデモで暴徒化の陰謀を騒ぐばかりで中国に対して特にアクションを起こしてこなかった。
自分の陰謀論を広めるために英語版の記事を作ることなどに力はいれてきていたが、中国語版は特につくられてこなかったのである。

 

◆中国デビュー

しかしながら今回の反日デモについての作成した4つの解説を中国語訳し、ついに中国向けに情報発信を試みるようになったリチャード氏(といっても、作った画像をそれからどうしたのかがよくわからないが)。
参考までに日本語版を見ると「中国国民は、こんなひどい略奪が行われていることを知っていますか?報道されていますか?」や「イオンの25億円の損害を弁償してください」など、「反日デモの情報規制を容認してたじゃん」「イオンの岡田克也をユダ金の手先扱いしてたのに、そこは賠償求めるんだ?」などツッコミどころもまずまずあるが、それは過去の発言をみてきたウォッチャーだから言えることで、「リチャードコシミズ理論」を初めて見る中国国民には関係のないことだろう。

ところで中国はインターネットの情報規制にも手を出している国家である。
リチャード氏は既存のメディアが裏社会に支配されており、ネットこそが正しい情報を手に入れられる場所だと考えているようだが、中国においてはその理屈が通用しない。
派閥争いがあるとはいえ、同じ共産党員に「アメリカやイスラエルと通じている」などという陰謀論を唱えるリチャード氏の情報があまり歓迎されるようには思えない。
中国からアクセスをブロックされないのだろうか。

いずれにしてもリチャード氏の中国での戦いは始まったばかり(続くのかすら不明だが)。

とりあえずは蒼井そらを超えるよう頑張ってほしいものである。


《参考記事》
習近平一派が口封じ目的で死刑執行を急いだ女性実業家が執行延期
習近平の秘密を握っている富豪女性が死刑から無期懲役に減刑へ
尖閣抗議船の出航を阻止=「撃沈の恐れ」と中国当局
え、中国が「反日デモ報道」を規制?
この微妙な時期にユダヤ傀儡の習近平に何かあっては
習近平、暗殺未遂?
習近平の背中の傷
ユダヤCIAさん、中国での反日デモ組織工作、誠にご苦労様です
さて、世間を騒がしている中国の反日デモですが、背後関係が寝ててもわかる写真集です。
中国の反日デモ後に出現した学生諸君。
反日デモ?とんでもない。中国共産党内部の権力闘争である。
習近平一派による反日デモ
中国向け「反日暴動」裏事情解説
中国向け「反日暴動」裏事情解説 2
緊急総集編
緊急総集編中国語版
暴動、放火、略奪、暴行。習近平、あなたの責任ですよ。
実は、今回の「反日デモ」騒動の背後に米国が介在していると見る中国人がかなりいて
暴動、放火、略奪、暴行。習近平、あなたの責任ですよ。 中国語版
請知道中国英明的諸位 「尖閣(釣魚)問題」背後関係
野蛮な略奪火付盗賊国家中国のパイオニア、習近平

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「善意の解釈」への2件のフィードバック

  1. 最近、コシミズBlog読んでません。読むと相当疲れてしまうので。何故なら、言ってる事が本当に、解らないので、解らないまま読むと、どんどん疲れてきます。なので、読んでないです。

    言ってる事のつじつまが合ってない。矛盾だらけ。などなど、疲れてしまう事ばかりなので。

    1. まあ、道楽ですので、楽しくやれる範囲でってことですね。

      私はここ何か月か講演動画を全然見てなかったので、久しぶりに見ようかなと思ってます。

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