リチャード小説を読んで「世界の闇を語る父と子の会話集 特別編 日本独立宣言」

今回の記事は昨年出版されたリチャード・コシミズ氏の書籍 『世界の闇を語る父と子の会話集 特別編 日本独立宣言』(以下『日本独立宣言』と表記)について。

過去作に比べると明らかにフォントサイズはとても大きい。
読みやすさが上がった分、情報量が経るということになるわけだが、私自身はこの本で世界を知ろうとしているわけではないので特に問題はない。

この本の特徴は、「出版当時(2012年12月)のRK陰謀論全般が書かれている」ということで、古くからのベテランの党員やあるいはアンチ、ウォッチャーにとっては目新しい記述は少ない。
説の多くはこれまでブログで書かれてきたものであるし、そうでないものにしても講演会で言及された話題である可能性が高い。
私自身は2012年度に行われたリチャードコシミズ講演会にそれほど目を通していないのだが、『日本独立宣言』の第7章「日本の未来は」に記述されている日本の資源に関する説明は『「出番」らしい』の記事で紹介した講演会「さあ俺たちの出番だ」で語られていたものである事に気づいた。

『311同時多発人工地震テロ』でリチャード・コシミズワールドに入門した人で、他の説についての知識をあまり持っていない人が読むことが最も適当と思われる(もっとも、人工地震説を知りたくてあの本を買った人がその他の説も読みたいと思ったかどうかはわからない)。

章は全部で7つ。以下のとおりである。

  1. 日本社会何やらおかしい。
  2. 311人工地震を普通の人に知ってもらいたい
  3. 中国を正しく理解しよう
  4. アメリカ信仰をぶち壊せ
  5. 裏社会に乗っ取られたメディア
  6. 台湾を理解し日本を知ろう。
  7. 日本の未来は

このような章だてとなっており、911陰謀論や月着陸捏造論、(出版時はまだ確定していないが)12・16不正選挙説なども含まれていて、「リチャードコシミズ理論」の大きいものは大体入っている。
しいて言えば、「2012年偽アセンション」の話は出てこない。

これまでにも語ってきたリチャード・コシミズ陰謀論を今また紹介しツッコミを入れて見せても面白味はないと思うので、そういった部分は抜きに、この本を面白そうな部分を頑張って紹介してみる。

 

◆江戸が出てくる

江戸時代にタイムスリップしよう。この本ではよく江戸時代にタイムスリップするんだが、江戸時代と現代とを対比すると共通項が見えてくるんだな。時代は変わっても本質は変わらない。
(20ページ)

この本は父と子が現代社会の陰謀について語っているのだが、父の方が時々江戸時代をからめて語り出す。
21ページで政界に「ホモ」がいると語り出しては江戸時代の若衆文化と絡めて語り出し、47ページで検察の腐敗について語るときには長谷川平蔵や遠山左衛門尉を絡め、そこから30ページ分くらいは江戸時代の話をいろんな陰謀論と絡めながら解説していく。
時には江戸時代の制度の解説もあり、親切といえば親切だが、完全な脱線である。
前作の『リチャードコシミズの新しい歴史教科書』で余ったネタを載せてるのかと思うほどである。

上記引用文から判断すると、二つの時代の共通点を本質(日本人の?)と言いたいようなのだが、だとすればリチャード氏が嫌っている同性愛と、検察(江戸時代においては火付盗賊改方や奉行)の贈収賄汚職が本質ということになってしまい、常々彼が言っている「日本人の美しさ」なんてものは微塵も感じられなくなってしまうのだが、いいのだろうか?

ただ、「よく江戸時代にタイムスリップする」といってもそれはあくまで最初の章。
その後の人工地震説やアメリカや中国についての話では江戸と絡めることはなく(人工地震と江戸を絡めることが出来たなら相当の腕なんだろうが)、237ページから少しお酒の話をした際に江戸の豆知識レベルで書いている程度である。

 

◆安定の石原批判・プーチン称賛

この本では、さまざまな人物・国家、国民がリチャード氏によって斬られる。

ユダヤ人はある意味当然のこととして、日本の政治家や右翼、在特会(この三者は「ホモ」ネタで随分と書かれている)、検察、宗教、メディア(これらは三大悪とされている)、中国人、アメリカ人、台湾人など、一通りは叩かれる。

中国が叩かれているということで意外に思う人もいるかもしれないが、リチャード氏は基本的に日本および日本人が一番という考えなので、中国人を何が何でも持ち上げるというわけではない。
リチャード氏はアメリカを嫌っており、アジアの特に中・韓・露との経済的な連携を重視しているので「比較的好意的」であるにすぎない。

チベット問題で中国政府の味方をし、尖閣問題では棚上げして共同開発を唱えるが、その他の中国の問題(反日暴動、パクリ、いい加減な留学生)では中国を批判しているケースはいくつかある。

『日本独立宣言』の「中国を正しく理解しよう」においては中国を将来的に重要なパートナーと位置付けてはいるものの、現在の中国社会における問題をいくつも紹介し、批判をしている。

アメリカは当然のこと、台湾についても批判的なスタンスをとっており、『日本独立宣言』において外国を褒めている記事というのは見当たらない。

政治家は個人のレベルで手ひどく書かれているのだが、なかでも石原慎太郎に対する批判というか暴言は何度も登場。
数え方にもよると思うのだが、7か所ほどでてくる。
書いている内容は執筆中の時事、すなわち衆議院選挙関係のニュースに関連したものが多い。
そのためかネタそのものは少ないようで、「太陽の党の名前由来は太陽族」、「石原慎太郎が橋下徹の発言した維新の会の公約を把握してなかった」というエピソードはそれぞれ2度登場している。

面白かったのは党名に関するやり取り。

俺の年代だと、太陽の季節という映画を思い出す。縊死原が書いた小説の映画化で石原裕次郎なんかが出演していたと思った。当時の青春乱脈映画だな。不純異性交遊とかヤンキーだとか暴走だとか、まあ、当時の不良の世界を書いたものだ。太陽族なんていう不良集団を産んで社会問題化したわけだ。

その昭和30年代の自分が作った倒錯文化を思い起こさせる太陽の党なんてネーミングをしたわけですね。つまり、太陽の季節を知っている爺さん婆さん票狙いってことだね。
(35ぺージ 「縊死原」は原文ママ)

縊死原慎太郎の太陽族みたいだなあ。

何じゃそれ?日焼け大好き年中真っ黒の会?違うか。つまらないこと言いましたすいません。

縊死原慎太郎が書いた太陽の季節っていう小説やそれが原作で弟の裕次郎が主演した映画から派生した当時の若い連中のことをそう呼んだんだ。要するにちょっと悪く言えば不良、チンピラってことだな。
(306ページ 細字は「父」の発言、太字は「子」の発言)

270ページ前に聞いた質問をそっくり忘れた息子も息子だが、ほぼ同じといっていい解説を繰り返した親父も親父で、記憶力がない。
あと、石原裕次郎は出演こそしているが、主演ではない(主演は長門裕之)。

 

石原慎太郎はぼろくそに書かれているが、逆に褒めちぎられているのがロシアのプーチン大統領である。

石原慎太郎の場合と違って、224ページから236ページまでの間に集中して書かれているが、とにかく褒めて褒めて褒めまくる。
リチャード・コシミズ中国工作員説ではなく、ロシア工作員説が浮上するのではないかという勢いである。

プーチンはロシアの救世主だな。ロシアだけでなく世界の救世主かもしれない。
(225ページ)

ロシア国民は優れた指導者をもって幸せだよ。それに引き換え日本は・・・・糞っ。
(228ページ)

プーチン閣下は、金融ユダヤ人の新たな対日テロ計画を未然に防いでくれたかもしれないんだ。
(232ページ)

プーチンは金融ユダヤ人に毅然として対峙する現代の英雄だと我々の評価も固まってきている。
(235ページ)

うひゃあ、日本人よりも日本人的じゃないですか。武士だ。もののふだ!

柔道は単なるスポーツではない。柔道は哲学だなんて言葉も残しているな。プーチン氏が柔道家であることは、日本の誇りだよ。
(236ページ 太字は「子」の発言です)

232、235ページの表現からわかるように、プーチンはユダヤの陰謀を知っていて、様々な形で牽制してくれていることになっている。
どう牽制しているかというと、「フィギュアスケートのオープニングで地震の波形を使った→人工地震を見抜いているというユダヤに対するメッセージ」、「ロシアのボランティア学生500人に急きょ日本旅行をプレゼント→ユダヤのテロをこの旅行が阻止した」、「ロシア軍機が領空侵犯→ユダヤの手先の潜水艦を牽制」ということらしい。

領空侵犯をこうまで前向きに解釈するあたり「恋は盲目」という感じなのだが、500人の学生が日本旅行したことでテロが防げるという意味不明さに比べればマシに見えるのがリチャード・コシミズ理論のすごいところである。

 

……このほか、事実と違うケースやソースが不明なケース、ソースが明記されていても発信者が社会主義解放党という共産主義政党の機関紙でだったり(288ページ。共産主義者はユダヤの手先じゃなかったのか?)、参考記事の投稿者がリチャードコシミズ自身だったりするケース(211ページ 「ブッシュ親子の自作自演テロの11」は阿修羅時代のH.N)や、「RKブログの優秀な寄稿者」として紹介された人(266ページ)が不正選挙陰謀論関連でのちに工作員認定されていたりするケースなど、いくつかのツッコミどころはあるのだが、「本書は小説です。文中の登場人物や団体は架空のものです。また、参考文書、参考記事、画像等は本文とは直接関係がありません」(397ページ)という締めの文章によってすべて虚しくなるのでこまかく書くのはやめておこう。

まあいずれにしても、「内容は新しくない」ということは強調しておく。
同書のラストに出てくる日本民族の優秀さの根拠を並べ立てている(394~395ページ)が、これも過去2010年11月の名古屋講演会で述べていたものだった(『年末おすすめはできない動画』で紹介記事あり)。

何年かに一度、こういうRK理論を網羅した本を出すというのも悪くないかもしれないが、古くからの読者にとってはいらない本になってしまう。
最近独立党で講演会を文書化して配布するという活動を行っているが、今後はこれで十分まかなえるのではないだろうか?

 

採点するのはなんだかむなしいので、やめとこうかなと思う。
どう点をつけたらいいのかもよくわからなくなってきたし。

 


《参考図書というか読んだ本》

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