カテゴリー別アーカイブ: 東日本大震災陰謀論

2011年3月11日に起こった東日本大震災をリチャード・コシミズはユダヤ人の陰謀だと主張しています。それにかかわる記事です。

2011年の名著

2012年6月9日に『トンデモ本大賞2012』が開催されました。

ここ数年参加していたのですが、今年はチケットがすぐに売り切れとなってしまったため、ニコニコ生放送で視聴することとなりました。

毎年本を出版するおかげで、リチャード氏の本も候補作として毎年カウントはされているのでしょうが、『小説911』でのノミネート以来、残念ながらトンデモ本大賞の会場で紹介されることはありませんでした。

そして今年。
昨年の地震に関連して、いわゆる「人工地震モノ」の多数出たわけですが、同じジャンルで何作もノミネートされる可能性は低いため(基準が設けられているわけではありませんが、心情的に)、このジャンルからは1作しか出ないだろうなと踏んでいました。

そうなると(トンデモ本としての)他のジャンルに比べると、ライバルが少し多いわけで、「人工地震モノ」の中でも群を抜いてバカな内容でなくてはいけないわけです。

その結果か、『311同時多発人工地震テロ』はノミネートされませんでした。残念。

 

人工地震をネタにした本でノミネートされたのはこちらの本。

会場とニコ生視聴者から高い支持を受け、2012年のトンデモ本大賞をかっさらってしまいました。
おめでとう!

 

内容はというと、リチャード氏をはるかに超えるバカバカしさ。
「ACは公共広告機構の略ではなく、アンチ・キリストの略」だとか「ターミネーターの映画のワンシーンに911の日付がある(実際には車両の高さ制限の数値)」とか、「ペ・ヨンジュンと水の飲み方が同じなので、菅直人は韓国人」だとか、抱腹絶倒な奇説が詰め込まれた一冊となっているようです。
とくに眼鏡市場の眼鏡の一式価格15,750円の数字を分解して足すと、1+5+7+5+0=18 つまり666になる」は最高でした。
この手の数字遊びがいかに無意味なものかよくわかります。

ただ、これがすべて泉パウロ氏のオリジナルな主張かというとそれは疑わしく、「『読まずに』検証!本当かデマか 3・11[人工地震説の根拠]衝撃検証本の件」で指摘されている通り、検索エンジン使って見つけてきたネタを節操なく鵜呑みしたものがかなりの部分を占めているようにも思われます。

しかし、その節操のなさがむしろトンデモ本としての評価を高め(正直リチャード氏がまともに思えてくるほどです)、結果としてリチャード・コシミズ、ベンジャミン・フルフォードなどおなじみの面々を抑えてのノミネートにつながったのでしょう。

まあ、機会があったら読んでみようと思います。このブログで話題に上げるかはわかりません。

 

2012年6月20日に発刊予定の新作『リチャード・コシミズの新しい歴史教科書』は、果たして来年ノミネートされるでしょうか。
うーん、むずかしそう。

 


トンデモ本大賞2012のほかの候補作は、以下の通り。

エル・カンターレを2年連続ノミネートに導いたこの本は、大川親子の漫才風のやり取りがなんだか微笑ましい内容の一冊。
ちなみに大川総裁は、2009年11月23日から2010年11月10日までの1年間52冊の書籍を発刊したため、ギネス世界記録を取得しています。
週刊誌でも合併号などがあるため、年間に50冊くらいしか出てないんですけど。

 

本文がすべて短歌調(しかも字数があまり守れていない)で書かれているという一大叙事詩。
アブダクション(誘拐)によって記憶が1日単位で消えてるせいで、学校に持っていく教科書を間違えたり、タイムカードがおされてなかったりするそうです。
でも宇宙人にさらわれてその程度の害で済むならいいような気もします。

 

ノストラダムス本の中で最多ページ数を更新するほど分厚く、定価4,300円もするという高価な書籍。
日本のノストラダムス研究者としては珍しく、フランス語が読めるという稀有な人材ですが、この手の研究にありがちな超強引な解釈と、原文から大きくかけ離れた和訳で予言書の解釈を連発しています。

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関係があればいいってものでもない

なぜかはよくわからないが、リチャード氏によるとマグナBSP社は裏社会にとって一番触れてほしくない部分らしい(ただし「外国人官邸常駐」と同率首位のようだ)。

マグナBSP社と原子力発電所との関係についての情報はインターネット上ですらほとんどソースをみつけることはできない。
見つけることができるのは、せいぜいHAARETZ紙の記事JERUSALEM POST紙の記事くらいなものである。
リチャード氏が『「マグナBSPなんて、福島原発と無関係だ!」』で挙げている「週刊現代経済の死角」は読む限り、上記2紙の記事を和訳して専門家のコメントを付け足した程度のものである。

 

◆マグナBSPと原発の関係

これらのソースから読み取れることは何かといえば、「福島原発ではマグナBSP社の作ったセキュリティシステムが導入されている」という程度のことである。
ところがこれが陰謀論者の手にかかると「マグナBSP社が原発の安全管理を担当している」ということになってしまうのだからたまらない。
「security system」を誤訳した結果の「安全管理」と思われるが、日本語の上では大いに誤解を生む訳だろう。
「安全管理」という単語で訳してしまうと、さも「原子炉の安全な運用を管理するための業務」を行っているような印象を受けてしまうが、実際にはセキュリティシステムのを作ったというだけで、現場の警備スタッフでさえマグナBSP社の人間ではないだろう。
リチャード氏やほかの陰謀論者はこの誤解に付け込んで「疑惑」を盛り上げているのだ。

 

◆陰謀論的クレーマー

「security system」を「安全管理」と誤解することで、マグナBSP社が怪しいと思わせるような主張が出てくる。
それが「原発が事故を起こしたにもかかわらず、原発の安全管理を請け負ったマグナBSP社に対して政府は一切責任を追及しようとしない」という主張である。

だが、先にも書いたとおりマグナBSP社は警備システムを作ったというだけであって、今回の原子炉で起きた事故そのものに対して特に責任を負うようなものではないだろう。

もしも今回のことが原発内にテロリストが侵入して破壊活動を行ったという事件であれば、警備上の問題であるので、マグナBSP社に対してセキュリティシステムに不備や弱点がなかったかなどを調査するという対応はあって当然だろう。
だが今回の福島原発の事故は、大地震とそれに起因する津波によって外部電源の喪失や冷却システムの破壊が引き起こされたという天災である。
天災が引き起こしたことについて警備システムの製造元が責任を問われるというのであれば、むしろそっちの方が不自然だろう。

たとえばパソコンが地震の揺れで転倒し、壊れてしまったとする。
その責任はどこにあるだろうか?
転倒防止の対策が不十分だった持ち主か、それともパソコンを丈夫に作らなかったメーカーか、せいぜいその二者だろう。
だがリチャ―ド氏ら陰謀論者の主張では、パソコンにインストールされているウイルス対策ソフトのメーカーの責任を追及しないのはおかしい、ということになる。

 

もしリチャード氏らが主張するようにマグナBSP社の責任を問うようなことがあれば、それは外国籍企業に見当違いな責任をとらせようという頓珍漢なクレーマー行為でしかないのだ。

 


《参考記事》
日本の全ての原発の安全管理を行う契約を請け負っている会社が、イスラエル企業だった?本当ですか?
「米国人官邸常駐」と「イスラエルマグナBSP社の安全管理」が一番触られたくない部分でしょう
「マグナBSPなんて、福島原発と無関係だ!」
richardkoshimizu’s blog より)

Israeli firm which secured Japan nuclear plant says workers there ‘putting their lives on the line’』(HAARETZより)

Israeli firm’s cameras recording Japanese nuclear core』(JERUSALEM POSTより)

福島第一原子力発電所事故』(Wikipediaより)

Project "SEAL" を読もう

じきに1周年を迎える東日本大震災に関する陰謀論で、なんとなく棚上げになってる感じが個人的にはしていたProject”SEAL”の表紙と概要の部分を今回は紹介します。

これはWikipedia英語版の「Project Seal」の項にあったリンク先で配布されていたプロジェクト・シールの最終報告書のPDFファイルから文字を起こしたものです。
Wikiからのリンク先は現在リンク切れですが、以下のリンク先で同様のものが見られるようです(ファイルサイズが大きいので注意してください)。

http://www.wanttoknow.info/documents/project_seal.pdf

うまく邦訳できればよかったのですが、翻訳エンジンに毛が生えたレベルの和訳しかできずにみっともなかったのと、正確さに不安があったため原文のみとします。

また、配布されていたPDFファイルには最終報告書のすべてが記載されていなかったのと、概要を読めれば必要なことはわかるだろうということで、表紙と概要の部分だけ掲載します。


DEPARTMENT OF SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH WELLINGTON, NEW ZEALAMD

The FINAL REPORT of PROJECT “SEAL”

by Professor T.D.J.LEECH
SCHOOL OF ENGINEERING AUCKLAND UNIVERCITY COLLEGE ARDMORE, NEW ZEALAND
18th December,1950



SUMMARY.

The project “SEAL” had its origin in a request of the Commander South Pacific Area (COMSOPAC) during April 1944, to the New Zealand Government for an investigation into the potentialities of offensive inundation by waves generated by means of explosives.

During the period from February to April 1944 exploratory trials in New Caledonia indicated that there were reasonable prospects of developing techniques for favourable sites.
The request incorporated two phases – the development of techniques, and the application of these to a trial upon an operational scale.
Owing to changes in policy at a later date, the second part was cancelled.

The work was carried out by the 24th Army Troops Company, New Zealand Engenieers with the co-operation of the Royal New Zealand Air Force, The U.S. Navy and the Royal New Zealand Navy between the 6th June, 1944, and the 8th January 1945.
Some 3,700 experiments were carried out with charges ranging from 0.06 lb. to 600 lb. in weight.
T.N.T was used generally, although O.E., nitoro-starch and geliginite were used in some cases,

On the 25th July 1946, the second atom bomb trial took place at Bikini Atoll, under conditions permitting of direct comparisons with forecasts based upon the work of the “SEAL” Unit.
these forecast were verified within the limits of experimental error.

The investigations lead to the conclusion that offensive inundation is possible under favourable circumstances.
Given low lying forshores and a shelving bottom off-shore, wave amplitudes of the order of those for recorded tidal waves, which have been disastrouces, can be obtained.
While T.N.T or other explosives can be used, the engineering work especially involved introduces difficulties of considerable magnitude.
The use of atomic bomb as multiple charges may be more practicable.
The following matters of detail havebeen established:

(a) There is an improvement in the amount of energy transferred from the explosive to the water in the form of wave motion with increasing sizes of charges (paragraph 11.7).

(b) The use of explosives at the upper critical depth adjacent to the water surface offers the advantages of higher performance and convenience as compared with deeply submerged charges (paragraph 6.2).

(c) The use of multiple charge arrangements imparts directional properties to the wave pattern, and produces markedly increased wave amplitudes along the axis of symmetry of the charge positions (paragraph 12.81).

(d) Single charges are impracticable (paragraph 15.3).

(e) Compared with recorded tidal waves, the wave lengths of the waves generated by explosives are smaller for given amplitudes.

(f) The ratio of the depth of water to the wave length at the charges is important, because for depths less than one-half the wave length, the energy efficiency falls rapidly with decrease in depth (paragraph 7.1).

(g) Hydraulic model studies are imperative before an assessment of the effect of inundation can be made, and for the determination of the beat arrangement and position of charges (paragraph 15.6).

(h) For single charges, the empirical relationships have been confirmed by the observations made during 25th July 1946 (paragraph 15.4).

much work has yet to be done before all phases of the problem can be considered to be in a satisfactory position.

※原書と比較してスペルミス等ありましたらコメント欄にてご指摘お願いします。


1950年に書かれた最終報告書の段階で兵器として成果が上がっているとは言えないことや、そもそも地震とは無関係であることなどがわかります。

この報告書を基にアメリカが人工大地震&大津波を起こしたというのはあまりに飛躍が過ぎますね。
1950年のこの最終報告書より後に研究が再開して発展を遂げたというのなら、まずはそのことから証明していく必要があるでしょう。

リチャード氏の講演会やブログでは、この最終報告書の表紙の画像が再三使われていることから、リチャード氏がこの文書のPDFを入手してるのはほぼ確実なんですけど、いまだに人工地震説の補強材料に使っていますね。

「誠実さ」あるいは「情報分析力」のいずれかに瑕疵があるものとみなされても仕方ないでしょう。

Project “SEAL” を読もう

じきに1周年を迎える東日本大震災に関する陰謀論で、なんとなく棚上げになってる感じが個人的にはしていたProject”SEAL”の表紙と概要の部分を今回は紹介します。

これはWikipedia英語版の「Project Seal」の項にあったリンク先で配布されていたプロジェクト・シールの最終報告書のPDFファイルから文字を起こしたものです。
Wikiからのリンク先は現在リンク切れですが、以下のリンク先で同様のものが見られるようです(ファイルサイズが大きいので注意してください)。

http://www.wanttoknow.info/documents/project_seal.pdf

うまく邦訳できればよかったのですが、翻訳エンジンに毛が生えたレベルの和訳しかできずにみっともなかったのと、正確さに不安があったため原文のみとします。

また、配布されていたPDFファイルには最終報告書のすべてが記載されていなかったのと、概要を読めれば必要なことはわかるだろうということで、表紙と概要の部分だけ掲載します。


DEPARTMENT OF SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH WELLINGTON, NEW ZEALAMD

The FINAL REPORT of PROJECT “SEAL”

by Professor T.D.J.LEECH
SCHOOL OF ENGINEERING AUCKLAND UNIVERCITY COLLEGE ARDMORE, NEW ZEALAND
18th December,1950



SUMMARY.

The project “SEAL” had its origin in a request of the Commander South Pacific Area (COMSOPAC) during April 1944, to the New Zealand Government for an investigation into the potentialities of offensive inundation by waves generated by means of explosives.

During the period from February to April 1944 exploratory trials in New Caledonia indicated that there were reasonable prospects of developing techniques for favourable sites.
The request incorporated two phases – the development of techniques, and the application of these to a trial upon an operational scale.
Owing to changes in policy at a later date, the second part was cancelled.

The work was carried out by the 24th Army Troops Company, New Zealand Engenieers with the co-operation of the Royal New Zealand Air Force, The U.S. Navy and the Royal New Zealand Navy between the 6th June, 1944, and the 8th January 1945.
Some 3,700 experiments were carried out with charges ranging from 0.06 lb. to 600 lb. in weight.
T.N.T was used generally, although O.E., nitoro-starch and geliginite were used in some cases,

On the 25th July 1946, the second atom bomb trial took place at Bikini Atoll, under conditions permitting of direct comparisons with forecasts based upon the work of the “SEAL” Unit.
these forecast were verified within the limits of experimental error.

The investigations lead to the conclusion that offensive inundation is possible under favourable circumstances.
Given low lying forshores and a shelving bottom off-shore, wave amplitudes of the order of those for recorded tidal waves, which have been disastrouces, can be obtained.
While T.N.T or other explosives can be used, the engineering work especially involved introduces difficulties of considerable magnitude.
The use of atomic bomb as multiple charges may be more practicable.
The following matters of detail havebeen established:

(a) There is an improvement in the amount of energy transferred from the explosive to the water in the form of wave motion with increasing sizes of charges (paragraph 11.7).

(b) The use of explosives at the upper critical depth adjacent to the water surface offers the advantages of higher performance and convenience as compared with deeply submerged charges (paragraph 6.2).

(c) The use of multiple charge arrangements imparts directional properties to the wave pattern, and produces markedly increased wave amplitudes along the axis of symmetry of the charge positions (paragraph 12.81).

(d) Single charges are impracticable (paragraph 15.3).

(e) Compared with recorded tidal waves, the wave lengths of the waves generated by explosives are smaller for given amplitudes.

(f) The ratio of the depth of water to the wave length at the charges is important, because for depths less than one-half the wave length, the energy efficiency falls rapidly with decrease in depth (paragraph 7.1).

(g) Hydraulic model studies are imperative before an assessment of the effect of inundation can be made, and for the determination of the beat arrangement and position of charges (paragraph 15.6).

(h) For single charges, the empirical relationships have been confirmed by the observations made during 25th July 1946 (paragraph 15.4).

much work has yet to be done before all phases of the problem can be considered to be in a satisfactory position.

※原書と比較してスペルミス等ありましたらコメント欄にてご指摘お願いします。


1950年に書かれた最終報告書の段階で兵器として成果が上がっているとは言えないことや、そもそも地震とは無関係であることなどがわかります。

この報告書を基にアメリカが人工大地震&大津波を起こしたというのはあまりに飛躍が過ぎますね。
1950年のこの最終報告書より後に研究が再開して発展を遂げたというのなら、まずはそのことから証明していく必要があるでしょう。

リチャード氏の講演会やブログでは、この最終報告書の表紙の画像が再三使われていることから、リチャード氏がこの文書のPDFを入手してるのはほぼ確実なんですけど、いまだに人工地震説の補強材料に使っていますね。

「誠実さ」あるいは「情報分析力」のいずれかに瑕疵があるものとみなされても仕方ないでしょう。

東日本大震災混乱支援ボランティア

今回の記事も『2012年やってくるのはユダ金の崩壊だ!』からテーマを絞って書かせていただく。

テーマは最近のリチャード氏のブログ記事でも話題に上がった伝単とOSSの対日心理作戦について。

◆伝単と心理作戦

「B-29が来てビラを配っていった、ビラを配るじゃない。ビラを落とした。そのビラを見たら『地震の次は何をお見舞いしましょうか』と書いてあったと。これをどう解釈するか?それはアメリカ軍が地震をやったんだよと。だから次もあるんだよといってる」
(動画05/09 05:17)

……と、いうことでリチャード氏はアメリカの撒いた伝単(敵国民あるいは兵士の戦意を削ぐためのビラ)を字義通り真実であるとして話を進め、最近の記事『1944-45年の米国による対日人工地震攻撃:「米國式地震を注目せよ」』『原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見』『伝単です。ご自由にご利用ください。』などで「アメリカが戦時中に人工地震を起こした」と主張している。

伝単の目的は敵の戦意を削ぐことにあるので、そこに書かれている内容は必ずしもウソである必要がない(米国が優勢だったわけだし)が、事実とも限らない。

とくに『原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見』では伝単だけでなく、OSSの対日心理作戦にまで言及している。

しかしこれがアメリカが地震を起こせた証拠になりえるだろうか?

OSSの「日本本土に対する地震心理戦計画」については検証ブログ「人工地震説の嘘とデマ:3.11人工地震テロ説・地震兵器説の証拠を検証」の『アメリカによって捏造された人工地震説の証拠の一つを見つけた件』の記事にてすでに検証済みとなっているので、あまりこちらで書くことはない。

要は「アメリカが地震を起こせるのかもしれない」と日本国民を怖がらせて戦意を奪うことが目的なのである。

実際に大地震が起こせるめどが立っているなら「心理作戦」なんてセコい規模に抑えず、攻撃計画として進めればいい話である。

そもそもリチャード氏が持ってきた伝単の内容はあまりにも派手で現実離れしている

原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見』で画像が紹介されている伝単には以下のように書かれている。

「一九二三年諸君の国に大損害を及ぼした彼の大地震を記憶しているか、米国はこれに千倍する損害を生ぜしめる地震を作り得る。
かくの如き地震は2トン半乃至4トンの包みにしてもって来られる。これらの包みはいづれも数年間をかけた苦心惨憺の賜物を二、三秒間内に破壊し得るのである。
米国式地震を注目してこの威力が放たれた際に大地の震動を感知せよ。諸君の家屋は崩壊し、工場は消失し、諸君の家族は死滅するのである。
米国式地震を注目せよ―諸君はそれが発生するときを知るであろう」
(仮名遣いや旧漢字は修正しました)

ここの分の頭にある「一九二三年」の「大地震」とは1923年の関東大震災を指しているのだろう。

この地震のマグニチュードは7.9。

この文書が示すところの「これに千倍する損害」というのは一体何を指しているのか、もしもこれがマグニチュードだというならマグニチュード9.9の地震が起こせる、ということになる。

これはいくらなんでも出鱈目だ。

戦時中アメリカの撒いた伝単には「次はここを爆撃します」というような予告があり、実際にその通りに爆撃したこともあるという。予告されてもなお空襲を防衛できないという事実は、制空権が敵によって完全に握られていること意味し、日本国民の心を打ちのめしたことだろう。

もし米国が自在に地震が起こせるのなら、このような地震攻撃予告があったほうがのちのちの心理戦において効果てきめんだっただろう。

また、戦時中に「自分たちが地震を起こした/地震をおこせる」と喧伝するようなビラをばらまいておきながら、戦後にその地震兵器の存在を隠ぺいしているというのもかなり無理がある。

◆人工地震兵器の可能性について

引用されている機密文書「日本本土に対する地震心理戦計画」の中では、爆弾を引き金(トリガー)として地震を誘発させるということが書かれている。

ただ、機密文書内では実際にどのように発生させるかについての記述が乏しいため、「爆弾で断層を破壊し、地震を誘発する方式」と「リチャード氏が唱えている方式」について検証をしていく。

「爆弾で断層を破壊し、地震を誘発する方式」については、ASIOS著「検証 大震災の予言・陰謀論」の記事『東日本大震災は「地震兵器」により引き起こされた!?』にて検証がされている。

この方式は「たとえ核爆弾を仕掛けたとしても、その場所で予定通り(?)、マグニチュード9.0の巨大地震が起きるかどうか、というのはやってみなければわからない」不確実性が大きいものであり「地震は兵器としては最も使えない」と評価されている(13ページ)。

もちろん上述したように、件の機密文書ではどのような方式で地震を発生させるかについては詳しく書かれていないので、OSSが意図するところの人工地震兵器は「爆弾で断層を破壊し、地震を誘発する方式」ではなく、「リチャード氏が唱えている方式」のことである、といえなくもない。

だがリチャード氏の唱えている方式は輪をかけて非現実的な方式である。

リチャード氏が『3.11同時多発人工地震テロ』内で提唱している方式は当ブログの記事『リチャード小説を読んで:「3.11同時多発人工地震テロ」(2)』で軽く触れたし、「検証 大震災の予言・陰謀論」の『小説『GEQ』(柴田哲孝著)で描かれた世界は真実である?』の記事でかなり詳しく書かれているが、リチャード氏の引っ張ってきた故・山本寛氏の理論では「ブラックライト・プロセス」なる未知の物理現象によって、地震が発生しているとしている。

リチャード氏の地震兵器説は科学的に証明されてもいない理論をもとに構築されているのだ。

ちなみにリチャード氏の本の中では「ブラックライト・プロセス」については全く言及していない。

山本氏の本を読んでいないか、読んではいたが「ブラックライト・プロセス」については触れたくないかのどちらかであり、どちらの可能性もありうる。

ブラックライト・プロセスはアメリカのランデル・ミルズ博士(ただし医学博士)が提唱した概念であり、ミルズ博士はこのブラックライト・プロセスが代替エネルギーになるとしてBlackLight Power Inc.という会社を作り、出資者を募っているようだ。

もしもこの理論が真であるという話が人工地震説の流布とともに全国に広まってしまったら、リチャード氏が支持している荒田名誉教授の固体内核融合は色あせてしまうだろう。

国産の新エネルギー技術開発による日本のアドバンテージ獲得を夢想するリチャード氏にとって、彼が嫌っているアメリカ人の新エネルギー技術が広く知られるような事態(しかも現実に大地震が「ブラックライト・プロセス」の理論に基づいて起こされたとなれば、宣伝にもなってしまう)は受け入れがたいものであろう。そのために「ブラックライト・プロセス」への言及を避けた可能性がある。

また、今回の講演ではリチャード氏は別の「方式」にも言及しているが、こっちはいかにも胡散臭い

「大地震というのは、そうそう簡単には起こせるもんじゃないんです。いくら核を植え込んだって、核だけの力ではせいぜい震度5とか震度4しか起こせないんです。
核によってもっと大きな地震を励起すること、ができると3.11のようになる。
そのメカニズムというのは色々考えうるんですが、まあ、あの~、たとえばですね太陽の活動と連動していたりするんです。
つまり太陽フレアとかその辺が極端に強い時に限ってこういった核兵器によって、えー、プラズマ現象というものが発生して、それが、えー、地殻の中で大きな核融合を引き起こすと。
いうような、ちょっとまだまだ分からない部分はある。」
(講演05/09 12:53)

実際の動画を観てもらえばわかるが、「メカニズムというのはいろいろ考えうる」というわりに、その直後から恐ろしく歯切れが悪くなり、「まだまだわからない部分はある」と尻すぼみな調子で閉じる。

実際、ここで言っている太陽フレア云々の説明は全く意味不明である。

太陽フレアと大地震とをからめた話はどっかで聞いたことがあるなと思っていたら、当ブログの過去の記事『あんびりばぼ』(2009年12月)で触れていた。

たしかこの「太陽フレアが活発になる極大期の前後では大地震がおきる」という与太話は、2012年地球滅亡説の一つとしてテレビで放映され、映画「2012」の宣伝も兼ねていたように思う(というかむしろ宣伝目的?)。

太陽の極大期は約11年周期とかなり頻繁に訪れており、これに偶然一致する地震があったとしてもまったく不思議ではない(こういった主張では一致したケースばかり取り上げるが、一致しなかったケースがどれだけあるかを考えなくてはならない)。

NASAも「2010~2012年には太陽活動極大期になる見込みだが、地球はこれまでにも定期的にこの期間を経験している」として切って捨てている。

故・山本寛氏の理論にしろ、太陽フレアの話にしろ、いずれにしてもリチャード氏の人工地震説は科学的根拠のない、疑似科学である。

◆陰謀の継承者

こうしてリチャード氏の人工地震説に一通りの評価を下した後に改めて「日本本土に対する地震心理戦計画」に目を通すと面白いことに気づく。

彼の機密文書には以下のような一節がある。

1)雑誌 メディアを使用する基礎作業として、まず偽の日本の雑誌に載せた疑似科学記事をつくる。
この記事は、日本の科学者が書いたように装い、「連合軍の第一の目的は、さらに爆撃を激しくすることで、破局的な地震を起こすことにある」と結論づけさせる。
この記事は次に日本国内で潜在的におきそうな地震の引き金を引くことが、激しい爆撃、あるいはとくに原子爆弾という新しい兵器で可能であるのかについての議論を喚起する。
さらにこのニセ記事は、筆者を日本の地震学者にしておき、この目的実現が「可能である」か「できない」かのどちらかをいわせ、日本人の心が地震の恐怖でいっぱいになるようにする。
(『原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見』より 読みやすいよう適宜改行しました)

「日本の科学者が書いたように装」った「疑似科学記事」によって「破局的な地震を起こすことにあると結論づけさせ」「日本人の心が地震の恐怖でいっぱいになるようにする」。

故・山本寛氏は在野の研究家とでもいうべき人で、物理学や地震学の博士号を取得しているような専門家ではない。

その氏の書いた本を使い、科学界からは「擬似科学」と呼ばれるにふさわしい奇説でもって、(ごく一部ではあるが)日本人にアメリカが地震を起こしたと結論付けさせ恐怖をあおる。

リチャード氏は約70年前にOSSが計画した作戦を掘り起し、頼まれていもいないのに協力し実行しているといえるだろう。

 


《参考動画》
2012年やってくるのはユダ金の崩壊だ!

《参考記事》
1944-45年の米国による対日人工地震攻撃:「米國式地震を注目せよ」
原爆による人工地震をにおわすB29散布ビラ発見
伝単です。ご自由にご利用ください。
richardkoshimizu’s blogより)

アメリカによって捏造された人工地震説の証拠の一つを見つけた件
人工地震説の嘘とデマ:3.11人工地震テロ説・地震兵器説の証拠を検証より)

日本本土に対する地震心理戦計画
toCより)
※リチャード氏のブログに記載されたOSS機密文書の和訳文章については上記サイトの和訳と比較し、内容に隔たりがないことからおおむね正しい訳であると考え、引用しました。

《参考文献》

検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか ASIOS アンドリュー・ウォールナー

RK人工地震説を元ネタにした記事を載せた本が出ていましたね。

自分の過去記事のタイトルをもじって書いたら長いタイトルになってしまいました。

ということで、リチャード氏の著書『3.11同時多発人工地震テロ』をもとにした記事を掲載した本が出版されていました。

コンビニで売られているペーパーバックスのムックで、暇つぶしに買って読み捨てられる運命にあるタイプの本です。

で、この本をリチャード氏が紹介したのが12月13日のブログ記事、『書籍「報道ミステリーTABOO」 (晋遊舎ムック) P.116~ 「3.11は人工地震テロ?」』なのですが、コンビニ探してみてもさっぱり見つからないわけです。

それもそのはずで、この本発行日こそ12月1日となっていますが、発売日は10月27日。
1か月以上も前に発売された本なんですね。
リチャード氏が1か月以上も発表を遅くしてしまったのは発行日と発売日を混同してしまったからかもしれません。

この手のコンビニのペーパーバックスはかなり入れ替わりが激しいだろうことは容易に想像できます。
コンビニの店頭で手に入れることはほぼ不可能に近いでしょう。

仕方ないのでほかをあたった結果、ブックオフにて400円で売られていたので買いました。

 

内容はといえば、それはもう『3.11同時多発人工地震テロ』をベースに書かれているので、いまさらこれらの説のツッコミだなんだを書く気はおきないのですが、どんな説が取り上げられていたかは挙げます。

  • クジラの集団座礁は地震兵器を仕掛ける潜水艦のソナーの仕業説
  • 太平洋戦争で地震兵器が使われていた説
  • 地震波形が自然ものじゃない説
  • 震源が10㎞は人工地震の証拠説
  • トモダチ作戦は体のいい軍事演習説
  • 核兵器の使用により黒い雲とかが出た説(原発事故は核兵器使用をごまかす目的説も若干言及あり)
  • 津波肺じゃなくて内部被ばく説
  • 原発建屋の爆発は核爆発説
  • 地震による建物の倒壊が少ないのは自然地震じゃないから説
  • 本当の狙いは東京で、海ほたるのあたりで核を使ってた説

トモダチ作戦が軍事演習目的って話は『3.11同時多発人工地震テロ』に書かれていなかったように記憶していますが、あとは載っていた話でした。

では、果たしてこの本が「廉価版 3.11同時多発人工地震テロ」と言えるのかというと、それは違う気がします。

『3.11同時多発人工地震テロ』で書かれていた「原子炉から燃料棒が抜き取られている」とか「計画停電は純粋水爆起動のための電力確保」とか「放射性物質に関するパニックやデモを暴徒化させる陰謀」など、けっこう強烈な説は掲載されていません。

また、この本の編集部の方針からか、「陰謀を働いたのは米軍」という話に収束させようとしており、「国際金融ユダヤ人」が主犯とか、創価学会員で構成された部隊が自衛隊にあるとか、気象庁や東電が陰謀に加担しているとか、そういった話はでてきません。

それどころか人工地震説を扱った章の冒頭のマンガのラストでは「※後年のルターは激しく反ユダヤ主義を唱えていました。一部ネットユーザーは「3・11はユダヤ資本家による陰謀である」などとしていますが、博士がルターを引用したのはそうした意図によるものではありません。(編集部)」という断りが描かれており、むしろユダヤ陰謀論に関しては否定しているほどです(だったらルターを引用しなきゃいいのにとも思いますけど)。

『3.11同時多発人工地震テロ』をネタ元にはしたものの、リチャード氏の過激な主張には与する気はないというのがおそらく編集部の本音ではないでしょうか。
同書にある「アポロ月着陸捏造論」各説の真相について解説した記事「NASAの陰謀だぁー!ってよく聞くけどホントなんすか?」ではASIOSの本城達也氏が文を書いています。
章末に「本原稿は、リチャード・コシミズ氏の著作「311同時多発人工地震テロ」を元に、編集部が作成いたしました。」なんて記載するくらいだったら、本城氏に依頼したように、リチャード氏に文章を書くよう依頼してもよかったでしょう。
もちろん編集部からの依頼をリチャード氏が断ったという可能性もありますので、なんともいえませんが。

 

ともあれ、この一報に大喜びの独立党員らはコメント欄で、この本をきっかけにリチャード・コシミズ陰謀論が広まる、あるいは広めるツールとして使えると大はしゃぎな様子。
たしかに550円で買える本は2000円で買える本よりは「布教用」に適しているとは思うんですけどね。
でも、コンビニで550円で売られている「ムー」的な記事満載のペーパーバックスを片手に「この本のこの記事は本当のことなんだよ」って熱っぽく説いた日には、「アイタタタ」って思われるのがオチだと思います。


《参考記事》
書籍「報道ミステリーTABOO」 (晋遊舎ムック) P.116~ 「3.11は人工地震テロ?」
richardkoshimizu’s blog より)

晋遊舎ムック 報道ミステリーTABOO(タブー) 紹介ページ(晋遊舎HP)
↑サイトの目次を見てもらえれば、この本の記事がどれだけ「アイタタタ」な感じかわかると思います。

西日本の諸君にも東日本にいるこのオッサンを知ってほしい

今回は動画3本『3.11同時多発テロ』『地震と政治経済』『311テロ:西日本の諸君にも東日本で起こされた卑劣な戦争行為を知ってほしい』(以下では『西日本の~』と略)について。

2本観たあたりでちょっとめげそうにもなったが、3本目はかなりおもしろかったのでまあよしとしよう。

人工地震説各論については『311同時多発人工地震テロ』に沿うものがほとんどなのでおおむね割愛。

講演中に飛び出した珍言・奇言をベースに紹介していこうと思う.。

◆日本語の問題

まずは日本語の問題。
日本人の、それも本を書いて売ってる人間なのに日本語に問題がある。

「『(前略)最初の巨大な破壊の後に、第2第3の巨大な破壊が連続して起こり、特殊な地震波になっていた。こうした複雑な破壊はきわめて稀としている。今回の地震の震源域は長さ500㎞、幅200㎞ときわめて広域、断層の破壊は5分以上続いたという』これ「きわめて稀」というのはどういうことかというと、「自然の地震としてはあり得ない」と言ってるんです、つまり
(『3.11同時多発テロ』01/10 10:03)

全然「つまり」じゃない。「きわめて稀」(≒0)と「ありえない」(=0)は別だぞ。

「津波だけなんです。今回の地震は津波だけなんです。津波に特化した地震なんです。そんなこと聞いたことありますか?津波しか起きない地震なんてありますか?」
(『西日本の~』01/11 5:04)

言ってる意味がよくわからない。
死者の多くが津波によるものであるということを言いたいらしいが、それにしても「津波しか起きない地震」って。
『3.11同時多発人工地震テロ』で飛び出したRKの珍妙なロジックもそうだったが、強引に納得させようとするがあまりに日本語が残念な感じになってしまっている。

西村修平の日本語には厳しかった割にいい加減なもんである。

◆4足のわらじ

もともと貿易関係の会社経営かつネットジャーナリストの2足のわらじ(?)だったが、「小説・魔界」をきっかけに小説を書き始め、『小説911』以降は妄想小説をブログで発表したりして作家(気取り)にもなっていた。

とはいえ前作、前々作とさっぱり売れている様子がなく、プロの作家を名乗るにはかなり厳しい状態であったが、今作はバカ売れし、書店の偉い人の腰が低くなったばっかりにリチャード氏の調子もうなぎのぼりである。

「大体がさ、自費出版でさちゃんとお金が儲かって、生きてける?
で、次の本も出せる?
そんなことやってんのリチャード・コシミズしかいないんだから。
他の人たちはみんな出版社にお願いして出してもらって、で印税もらって生きているんだから。
ま、印税だけでは食えないから、統一教会からもらう人もいっぱいいるらしいけども。
私の場合は統一教会からもらわない。
ま、ほかの自分の仕事もあるもんで。
苦しくなると時々神様が助けてくれて、ちょっと大きなプラスチック関係のビジネスをくれる
(『3.11同時多発テロ』06/10 3:30)

話の始まりと締めで内容が矛盾してるように思えるのは私だけだろうか?
天の助けによって本業が潤い、そのおかげで食っていけてるというのなら、物書きで「お金が儲かって生きてける」とはとても言えないだろう。
前作まで鳴かず飛ばずで、今作でも出版にあたって代金前払いや寄付を募っていたくせにずいぶんと偉くなったもんである。

そんな調子こいたリチャード氏であるが、ここにきて新たなる肩書きを追加するつもりらしい。

「地震の専門家が出てきて『この地震の原理はこういうことです』と『どのプレートが動いて云々』という話が一切出てこない。
出てくるわけないんですよこれ!自然地震じゃないんだから!
人工地震の専門家の先生でも呼んでこなかったら誰も解説できないよ。そんなのどこにいる!?
ここにいるよ、ここに!
(自分を指さす)
でもここにいるこいつを呼んじゃったらおしまいでしょ、テレビ局」
(『西日本の~』03/11 2:43)

いきなり人工地震の専門家である。地震学の学士号すら持ってないのに(青山学院大学経済学部卒)。
まあ「美容研究家」とか「占い研究家」とか、「研究家」という肩書ならどんな人間でも名乗ることがOKなので、「人工地震研究家」あたりが妥当だろうか。

◆放射線の話

正直放射線についてリチャード氏の言うこと全てが出鱈目だとは考えていない。
普段いうことは大体においてむちゃくちゃだが、「低線量被曝に過剰におびえる必要はない」という主張に関しては間違っていないと思う。

ただしそこだけである。
その後に続く「低線量被ばくの危険を煽るのは暴徒化を狙う陰謀」だとか「海で放射能が検出されたのは海底で核が使われた証拠」とか、あっという間にアッチの世界へトリップしてしまう。

特にひどかったのは311の話からちょっと脱線してアポロ月着陸捏造説の話をした時である。

「宇宙の中は宇宙線、X線で満ち満ちているから、そこへ出て行ったらば焼け焦げて死んでしまいますよ
(『地震と政治経済』 03/08 2:44)

アポロの月着陸についてはいろんな「疑惑」が唱えられており、そのなかに放射線被ばくに関する話は聞いたことがあるが、「宇宙線で人が焼け死ぬ」という珍説は初めて聞いた。

原発からの放射能漏れについてよく調べ、降下物の量の比較など行い、それなりにまっとうな結論を出してるように思えたのに、別の話題に言った途端に放射線に関する知識なぞ次元の狭間に吸い込まれてしまったかのような豹変ぶり。

「一瞬だけまともになる」逆ナベアツ状態だ。

ちなみにアポロ11号の乗組員が月旅行の往復で浴びた放射線量は、海抜0mに住む人が浴びる放射線量の約3年分であったという。
数日間で3年分とは結構な量を受けてそうな印象だが、そもそも1年間にうけるの自然放射線量がいかに少ないかは、今回の原発事故をうけてメディアなどが報じたとおりであり、その3倍の量でも健康に特に影響はないことは明らかである。

◆カンタン核融合

「原子力発電所で事故が起こった」

この話をとりあえず聞いたとき、他の予備知識を与えられていない状態で、あなたはどのような原因を想定するだろうか?

ずさんな管理による人災? 地震や津波などの災害? それとも何者かによる破壊工作?

それに対するリチャード・コシミズ氏の意見は以下のとおりである。

「原発というのは不完全な装置なんです。どう不完全かというと、みなさんよく聞くと思うんですが、「どこかで冷却水の装置が停止した」とか、「破裂した」とか「配管がなんか穴が開いた」だとか、いうニュースをよーく何度も何度も聞くと思いませんか?
東大の工学部出た最高の頭脳の連中が集まって、一生懸命やってるのになんでダメなんですか? 京都大学の一番頭のいい人たちがいってやってるんじゃないの?関西電力で。なんでうまくいかないの?
そこには、まだ解明されない未知の反応が起きてるからなんです。
それは何かというと、核融合が起きちゃってるんですよ! 原発で。
だからこんなぶっとい肉厚の配管がねじ曲がれて穴が開くんです。
核融合の小さな爆発があっちでもこっちでもおきてるから、原発はいつも事故だらけなんです
(『西日本の~』 05/11 0:11)

この話を聞いた時にはさすがに爆笑した。
まあしょっちゅう笑わせてもらってはいるんだが、これは特級である。

人工地震兵器説のメカニズムの説明で「マントルの熱(最高でも3000度くらい)と水深10㎞の水圧(約1000気圧)によって熱核融合が起きやすくなる」という超いい加減な話を採用したあたりから、核融合に関するハードルがどうにかなってしまったんだろうか?
いや、荒田教授の固体内常温核融合など支持しているし、もともと高くないのかもしれない。

そんなに簡単に核融合が起こせるんなら、とっくに核融合炉が実現できてそうなもんだ。
原発で核融合反応が起きて爆発したというのにそのことに気づかないなら、それこそ無能というやつである。

※原発で核融合が起きているという(突飛な)アイデアだが、どうやらリチャード氏オリジナルではないようである。
今回の人工地震説の元ネタとなった「海底の核融合が地震を起こす」という説を提唱していた山本寛氏の著書『仮説-巨大地震は水素核融合で起きる』をさっとななめ読みしたところ、浜岡原発の配管破断事故について書いた文章に同じような内容の記述があった。
リチャード氏の奇説はこの本に影響を受けたものだろう。

◆信用の問題

最後に紹介するのはこんな発言。

「これはジャーナリストとしてかなり厳しい仕事なんですよ。もし外れたら大変です。もし外れたら、私が今まで十何年間やってきたジャーナリストとしての信用は失墜するわけです。それわかったうえで私は断言したんです
(『西日本の~』 01/11 5:44)

ここでいっている「これ」とはもちろん「311人工地震説」のこと。
動画の序盤だったが、思わず「わかってねーじゃん!」とツッコんでしまった。

大半の人間にとって、リチャード氏にはジャーナリストとしての信用なんてものはもともと無いのだ。

これまでの工作員認定騒動やら阿修羅掲示板や右翼団体とのトラブル、差別的発言などを見てきた自分にとっては、「ネットジャーナリスト リチャード・コシミズ」はおろか「輿水 正」の個人としての信用もとっくにゼロである。

とにかく三本の動画を通してデタラメな話が多すぎる。
過去に当ブログでも指摘した「3連続の地層破壊を報告した気象庁発表がなかったことにされている」(「なかったことにされた」という事実が確認されていない)とか、「中・ロの救助隊がさっさと追い返された」(1週間の救助活動を終了して帰国しただけ)とか、「海外のニュースでは原発建屋の水素爆発に三連発の爆発音が付いていた」(YOUTUBEにアップされたものだけ)とか、いまだに平然としゃべっている。
他にも「海外での地震の余波の話を聞かない」(ハワイに3m超の津波が発生しているし、カリフォルニアやインドネシアでは死亡者も出ている)とか、「神戸の地震の時にも『ちきゅう』がいた」(『ちきゅう』が起工されたのは2001年。阪神大震災の6年後だよ!!)とかなどなど、きちんとした裏付けもせずにただただ自分に都合の悪い事実を無視して好き放題言ってるだけである。

この人を言うことをとりあえず信じるというのは極めて無謀な行為としか言いようがない。

独立党員や心情党員という立場の人間たちが「B層の人たちは自分で考えるということをしない」などというが、ウォッチャーやアンチの立場にいる人間からすれば、彼らこそ考えているとは思えない状態だ。

この互いに相手に対して「ものを考えているとは思えない」と感じている奇妙な光景の原因にはこの「信用」の問題があるのではないかと思う。

お互いに自分で考えているのだが、その材料が違う。

ウォッチャーやアンチにとって、リチャード・コシミズ氏の発信する情報は無知によるウソや恣意的な解釈に汚染された情報として忌避したり、疑ってかからなくてはならない情報である(自分としては毎回まずは疑ってかかる)。

だが、独立党員や心情党員は彼の情報を全面的に信用してしまっている。
彼の情報が正しいという前提で理解し、咀嚼し、それを基に世の中について考えている。

だからリチャード氏の持つ世界観に従った解釈しかできないし、非独立党員(『ゴイム』『B層』と呼びたいなら呼べばいい)と全く違う結論に至るのだ。

リチャードコシミズ氏の出す情報があやまっていないかをチェックしない。
精査せずに丸呑みにして、そこから考え出している。

考えるということを放棄してはいないのかもしれないが、疑ったり調べるということを放棄している。

疑うことを禁止し、とにかく信じる事から始めることを「信仰」という。

こんな状態だから「カルト」だの「教祖」だの言われてしまうのだ。


《参考動画》
3.11同時多発テロ
地震と政治経済
311テロ:西日本の諸君にも東日本で起こされた卑劣な戦争行為を知ってほしい

《参考文献》

アポロ月着陸捏造説(ムーンホークス説)における放射線についての知識はこの本から。
インターネット上では「Skeptic’s Wiki」や「ASIOS」の記事を参照してください。

国会図書館にあったのでささっと流し読みした程度です。
ただこの本で著者が持ち上げてたブラックライトプロセスというのはなんだか胡散臭い。Wikipedia(英語版)によると疑似科学扱いされているようですね。

《参考記事》
地震の津波、世界中で被害をもたらす』(日テレニュース24より)