2013年参議院議員選挙が終わった。
独立党が推しに推していた生活の党は改選ゼロ。
途中から応援することになった犬丸勝子氏も得票数12,683票、得票率0.2%にとどまった(得票数は5,762票から増えたが、パーセンテージで比較すると前回の衆院選2.9%なので後退にもとれる)。
今回は都議選後の独立党&リチャード氏の応援について紹介。
◆生活の党応援―接触篇
独立党の生活の党に対する支援は、これまで通り勝手連的に生活の党を応援にとどまり、やってもせいぜい講演会に候補者を呼ぶ程度なのではないかとおもっていたのだが、その予想よりもはるかに積極的に生活の党にかかわっていく姿勢を見せた。
生活の党の不正選挙対策の姿勢に不満があったのか何だかよくわからないが、都議会議員選挙の結果を受けて、リチャード氏は大変おかんむりで、『生活の党関係者の方へ』の記事で不満を書き綴っている。
この反応に私自身は意外さを感じた。
というのも、RKブログでは都議選のことはそれほど話題に上がらず、投票日が目前になるまで都議選に触れる記事などほとんどない状態だったのだ。
『東京都議会議員選挙の日です。』の記事の文面も不正選挙への警戒の姿勢も見られない。
「皆さんも「下見」がてらに投票へ!」など、じつにのんびりしている。
リチャード氏は都議選では不正が行われないと楽観していたのかもしれない。
都議選前に行われた数々の地方選では、自公系候補が敗北したケースをいくつも紹介し、「地方選挙では不正選挙は行われない」と吹聴していたので、都議選は大丈夫(生活の党が勝つ)だろうとタカをくくっていたのだろうか。
しかし、本来RK理論において生活の党以外の政党はみな国賊なので、地方選挙で自公系候補が落選したとしても、生活の党か無所属の候補者が勝利しない限り勝利とは言えないはずある(生活の党推薦であると同時に、民主などからの推薦も受けている候補の場合はどう理解するべきなのか謎である)。
地方選挙で自公系政治家が落選するかわり、生活の党以外の政党の後押しを受けた政治家が当選しているケースは少なくなく、(厳密にRK理論に従うならば)楽観していいことなどなかったはずである。
結果を見てみれば、生活の党から出た公認候補3名は一人として当選せず、惨敗である。
ともあれ理不尽にも見えるが、生活の党の不正選挙対策に業を煮やしたリチャード氏は今回の参院選で生活の党へより積極的な協力をする意思を固めたようである。
6月24日。
午前中に『怒り心頭のRKは生活の党に直接談判をしたいので、党員・心情党員にお願い。』という記事をあげたリチャード氏は、夜には『独立党員諸君、7月4日(木)千葉に集まってください。』という記事をあげ、生活の党への支援活動に参加する人員を集め始めた。
船橋の講演会での発言(04/08 9:10~)によると、党員を通して姫井氏の連絡先を知り、24日に電話で話で会話。
25日にはじかに会って話をし、全面的に協力すると申し出たのだとか。
かつて国民新党に協力した際の動画において、リチャード氏が幹事長の下地幹郎氏に対して「40万票を提供できる」と豪語した際、下地氏の反応はそれほどでもなかった(さすがに真に受けなかったのだろう)が、選挙運動の手伝いを動員できるといったときには強い興味を示していた。
本当にあるかないかわからない(実際なかった)40万票より、何人かの人間が選挙運動を手伝えるという現実的な提案のほうが、ありがたいものだったに違いない。
姫井氏側の期待やリチャード氏側の提案も、その現実路線に落ち着いたのだろう。
リチャード氏は独立党員限定で50名という目標を提示して7月4日という平日に協力している人間を募りだした。
しかし、いくらなんでも平日に早々時間が空く人間もいない。
協力を要請する記事が上がったのは10日ほど時間的余裕のある時期だったのだが、それでもさすがに厳しかったのだろう、6月30日の記事『再掲:独立党員諸君、7月4日(木)千葉に集まってください。』では「心情党員の方でも身分証明いただければ参加できますので、ご応募ください」と参加条件を引き下げている。
これが功を奏したのか、7月4日当日には目標には届かなかったものの、40名という動員を実現したようである。
今回の選挙においてリチャード氏は主に姫井由美子氏と協力して太田かずみ氏の応援をしたわけだが、『生活の党比例区候補に対する支援』の記事によれば姫井氏以外にも、三宅雪子氏、広野ただし氏、東祥三氏らとコンタクトを取ったようである。
広野氏との顛末については不明であるが、三宅雪子氏については新宿の演説などに参加している。
東氏については、『日々坦々』というブログの7月2日の記事、『私が応援しようとしていた東祥三選挙事務所から降りた(排除された)理由』で東氏サイドから協力を断った経緯が書かれている。
しかし、7月5日にはリチャード氏のブログで『生活の党、比例区候補、東祥三さんの選挙支援活動』という記事も出ており、東氏の側で結局協力を受け入れることにした可能性もある。
◆生活の党応援―発動篇
もしもリチャード・コシミズ独立党に協力されるとしたら、ポスター貼りなど単純な作業でとどめておくというのが賢明だろうというのが私の考えである。
リチャード氏はこのところ「小沢先生と考えを一にするもの」などと自称していることがままある。
客観的に見ていれば、それはせいぜい反原発・反TPP・アジア重視の外交・憲法改正反対などといった領域にとどまるのだが、リチャード氏自身は「ユダヤ人が世界を支配し、部落・在日・同性愛者などがその支配体制に協力している」という陰謀史観までも小沢氏と共有できているという妄想に取りつかれている。
以前に紹介したリチャード氏の書籍、『12・16不正選挙』で小沢氏が未来の党と合流したのは不正選挙防止のためだったと書いていることからも、それは間違いない。
こういう考えの持ち主が、自分たちの政党の看板を背負って持論を展開するような事態は、絶対に避けるべきであった。
しかしながら、6月29日の三宅雪子氏の新宿街頭演説でリチャード氏はマイクを握り、応援演説に及んだのである。
動画のほか、『2013.6.29(土)新宿駅西口ハルク前RK街頭応援演説(4分32秒)文字起こし』の記事でも内容は確認できる。
内容としては「原子力発電所は核武装のため」や「仕事のない若者が軍隊に入るしかなくなる」など極端に思える発言も出てくるが、原発に関する発言は小沢氏自身の主張と大きく外れているわけではないようである。
「ある勢力」「裏社会」という単語が若干顔をのぞかせるが、これらはほんとに少しだけで、もし事情通ではない人がピンからキリまで聞いていても、これらの単語とその意味に気付くことはなかっただろう。
もっとも、関係者以外に聴き手がいたかは怪しいものである。
が、7月11日に柏駅前にて行われた応援演説では、太田かずみ氏の幟を持った姫井氏を伴って、リチャード・コシミズワールドを全開にして喋っている。
こちらの演説、特に「2回目」の動画では陰謀論を隠すことなくさらけ出している。
「私たちはみなさんにどうしても伝えたい4つの文字があります。『不』 『正』 『選』 『挙』です」
「”まさかこの文明国、世界で最も優秀な人間が集まった日本という国でそんな不正選挙なんて行われるわけがない”誰もがそう思います」
「日本人はそんな汚いことはません。ところが、外国人ならやります」
「アメリカが無理やりに自由民主党を勝たせた」
と、惜しげなく不正選挙陰謀論を展開している。
このほか「そのユダヤ金融資本の、たった1%の人たちがアメリカの政府を支配しています」「皆さんはバラク・オバマという色の黒い大統領を知っているでしょう」など差別的な思想を含んでいると取られても不思議ではない発言もしており(実際に含んでいるんだが)、この演説が生活の党とってマイナスにはなってもプラスになることはなかっただろう。
『13.7.11の生活の党支援RK街頭演説は….』の記事によれば、この街頭演説の後に演説をするはずだった太田かずみ氏は来場をキャンセル。
また、12日に予定されていた講演会も欠席されることになったようである。
太田市の欠席を伝える記事でリチャード氏は「世の中の真の構造を、今日、目のあたりにしました」という文章が飛び出したうえ、『裏社会はRK独立党の動きにひどく焦っています。』の記事では「裏社会はRK独立党の動きにひどく焦っています。 なりふり構わず、動きを封じ込めようと「草」を総動員しています。」といった文が書かれている。
今回の演説が原因なのか決定打になったのかはわからないが、生活の党内部からリチャード氏たちの「協力」を問題視する声が上がり、それをリチャード氏が工作員による妨害と判断しただろうことは想像に難くない。
◆犬丸勝子氏の応援
犬丸勝子氏といえば、党ブログの記事『第429号法廷』『第429号法廷 その2』でも少々紹介した、不正選挙訴訟を行った人物のひとりである。
前回12月16日の衆議院選挙においては地元福岡から出馬したが、今回の参院選では東京で出馬していた。
その犬丸氏をリチャード氏が強く認識したのは『参院選東京選挙区立候補者の公示ポスターに「不正選挙NO!」』の記事のころ。
東京都選挙区のポスターに「不正選挙」の文字が書かれていたことがその要因であるという。
独立党関係者が不正選挙訴訟原告団にかかわっていたものの、リチャード氏は「裁判は専門家に任せる」と、タッチすることはなかったせいなのか、不正選挙訴訟までおこした犬丸氏の動向を不正選挙と書いた選挙ポスターを見るまで、ほとんど認識していなかったようである。
しかし最初は犬丸氏に対していくらか警戒をしていた。
それは犬丸氏サイドで出した告知(?)の画像に「リチャードコシミズ派の皆さん」と書かれていたことである。
リチャード氏は自分の名前が勝手に使われることをとても警戒している。
かつて小吹伸一氏が独立党を離れるきっかけになったのも、小吹氏が個人的な活動を独立党公認であるかのように紹介してしまったことであった。
犬丸氏側の文章にこのような表現がある経緯が存在する。
今回の選挙の、独立党がこれほど積極的に動くことを決定する前、独立党が様々な「不正選挙防止」のアイデアを巡らせていたことは『独立党の隠しきれない陰謀』の記事で紹介した。
その中に「開票作業に参加し、同じ筆跡で書かれている票を撮影しネットで公開する」というアイデアがあったのだが、当時生活の党との連携が決まっていなかったため、この計画を実行するためには独立党員はだれか候補者と独自にコンタクトを取って、開票立会人にしてもらわなければならなかったのである。
他方、犬丸氏は不正選挙を暴くために開票立会人を募集していた(『無所属の輪(福岡支部)立会人大募集』)。
ここで両者の利害が一致し、一部の独立党員が犬丸氏に個人的に協力する形になったのだ。
私自身、6月上旬に独立党関係者が犬丸氏に協力しているらしいことに気付き、犬丸氏本人にツイッター上メンションでそのことをうかがったことがある。
犬丸氏サイドが書いた「リチャードコシミズ派」というのは、それら個人の自由意思で協力していた人たちをさしたものだろう。
そういった事情をリチャード氏が汲まずに不信感を募らせれば、選挙期間中に犬丸氏が工作員認定を受けることさえあるかもしれない思っていたのだが、そこまでの事態には発展せず、リチャード氏と犬丸氏の協力体制は実現した。
ただ協力体制完成までに若干の犠牲はあったようで、それまで犬丸氏と協力していた中田潤氏(リチャード氏をかなり厳しく批判していた)が犬丸氏から距離を置くことになったりと、少々トラブルはあったようである(犬丸・独立党連携ができた後も、中田氏は犬丸氏だけは応援し続けている)。
本来であれば、「不正選挙」そのものを出馬の大きな動機にしていたうえに、政党による支援のない犬丸氏への協力こそ真っ先に行われるべきだったのだろうが、犬丸氏への協力は生活の党への協力に比べれば完全に遅いスタートになってしまった。
◆そして開票
ふたを開けてみれば開票前の世論調査から大きく外れることもなく、生活の党と太田氏は惨敗。
犬丸氏も得票率0.2%で落選という厳しい結果に終わった。
生活の党が全滅してしまったので、太田氏が落選した原因を「独立党に応援されたから」とすることはできないだろう。
独立党に応援されなかった候補者も落選したのだから。
お約束というかなんというか、現在独立党は不正選挙説を絶賛展開中。
山本太郎が当選してしまったため、昨年の選挙で不正選挙を訴えていた反原発系の人たちがこの不正選挙の流れに大挙して乗っかるかは微妙だが、生暖かく見守っていくのが吉である。
《参考記事》
『東京都議会議員選挙の日です。』
『生活の党関係者の方へ』
『怒り心頭のRKは生活の党に直接談判をしたいので、党員・心情党員にお願い。』
『独立党員諸君、7月4日(木)千葉に集まってください。』
『再掲:独立党員諸君、7月4日(木)千葉に集まってください。』
『生活の党比例区候補に対する支援』
『生活の党、比例区候補、東祥三さんの選挙支援活動』
『2013.6.29(土)新宿駅西口ハルク前RK街頭応援演説(4分32秒)文字起こし』
『13.7.11の生活の党支援RK街頭演説は….』
『裏社会はRK独立党の動きにひどく焦っています。』
『参院選東京選挙区立候補者の公示ポスターに「不正選挙NO!」』
(以上、richardkoshimizu’s blog より)