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マイナス300点の小沢一郎

まあ、プライベートが忙しいだ、モチベーションが出ないだので、全然ブログの更新自体はやってこなかったのだが、相も変わらずウォッチング自体は続けてきていたのである。

前回の更新から1年近くたってしまっているが、ここにきてまた書きたいなと思えることがあったため、今回記事にさせていただく。

昨年7月の党ブログ更新時点ではリチャード・コシミズブログはビッグローブを追い出されて、ワードプレスに移行していたのだが、それも昔の話。

現在はエキサイトブログへと移行しているのだが、ワードプレスからアメブロに移り、そこからさらに追い出されてのエキサイトブログである。

かつてデザイナーの手によって見栄えのするHPを持っていたリチャード氏も今やネット上で住所不定となってしまった。エキサイトブログはいったいどれだけ持つのやら。

まあそれよりなにより、今回書きたいと思ったのは、リチャード氏の脳内における小沢一郎に関する評価についてである。

◆小沢株、上がって下がって

かねてより注目してきたが(もう何年越しになるのやら)、リチャード氏の中での小沢一郎像の変遷は実に興味深く、当ブログで古くまとめたのが『小沢評価変遷の歴史』である。
この記事では、かつて陰謀組織の手先だった小沢一郎が国士へ祭り上げられていく様を追っていった。

その後リチャード脳内市場における小沢株は爆上げ、黄金期を迎えたのが『リチャード小説を読んで【番外編】:『12・16不正選挙』』である。
小沢一郎を讃えるために1冊の本を出したといっても過言ではなかった。

こののち、リチャード氏らは不正選挙陰謀論を唱えて選挙無効を求める訴訟を各地で展開したものの、それに対して国民の生活が第一は全く関心を見せないという現実の前に失望したリチャード氏は、小沢一郎に対する見解を再び元に戻し、裏社会の一員として再び収まることとなっていったのである。

小沢一郎に失望し、リチャード氏が日本の政治全般への期待を持てなくなっていったのが2014年ごろ。
しばらく国内の政治に対する不信が続いていたが、今では立憲民主党の枝野幸男に気持ち悪いくらい傾倒しているという状況である。

そしてこの度、なんとなく見てしまった『リチャード・コシミズ独立党岩手北上講演会2019年5月25日ツイキャス配信録画 1/2』において、リチャード氏は小沢一郎についてこんな風に語っているのである。

国会議員は変なのばっか。
60点あげられるのは小林興起くらい。

小沢一郎なんかマイナス300点!
ひどい奴だよあれは、
あの人岩手だったね。

あの人、実はすごいワルなんです。
どういうワルかっていうと、生活の党ってあったでしょ?
あんとき、生活の党として小沢さんが連れて外に出た人たち、100人くらい議員さんいたんだよ。
その次の選挙でどうなった?
ほとんど全員落選してしまった。
で、生活の党、なくなっちゃったじゃないですか。
小沢さんは、それをやるためにわざわざ生活の党を作ったんです。

小沢さんの役割は、国会からまともな議員100人を消すこと、
ばっちりやったじゃないですか。
結果として、今ね、まともな議員さんはね、本当はゼロになるはず。
ところがね、小池さんがドジを踏んで。

小池さんは「希望」とかいうのを作って、その希望にはね、自分の選んだ民進党の議員だけを受け入れますよという話をした。
そうすると、認定もらえなかった議員がいっぱい出たわけ、その筆頭が枝野さんだった。

枝野さんは「どうしようかな?」と思った。
「じゃあ、しょうがないから無所属で一人だけ立候補して、選挙に臨もうかな?」って思ってたんだって。
そしたら枝野さんの支持者からね「なに言ってんだよ。あなたさっさと政党作りなさいよ」という風におしりに火をつけられて、
枝野さんは仕方なくて、しょうがなくて3泊4日で立憲民主党作っちゃった。

その結果、立憲民主党、すごく数が増えて。
で、立憲民主党に、要するに小池さんから拒否された人、
つまり、「小池さんが拒否した=まとも」な議員です。
まともな議員ばかりを、小池と、前原と安倍晋三が三人で、まともな議員だけを排除してくれた。
排除された議員が全部集まって立憲民主党を作った。

立憲民主党こそがまともな議員、まともな政党となっちゃったわけ。

だから、小沢さんは「こりゃあまずい」と。
じゃあ今度は、立憲民主党に入り込んで分解さしてやろうとしたんだけど、枝野さんが小沢なんか入れるわけないじゃない、馬鹿じゃないんだから。
排除しちゃう。

それで小沢さんは国民民主党に行って、国民民主党を自民党にくっつけようとしてる。

小沢さん、ワルです。
正直いってとんでもないワルです。

なによりすごいのは、小沢一郎が大勢引き連れて生活の党(正確には「国民の生活が第一」)をつくったことを陰謀としてしまったことである。

あの当時の小沢一郎の行動がすべて陰謀の一端であったとするなら、その小沢一郎を絶賛して国士と祭り上げて応援した挙句、陰謀によって「ほとんど全員落選」を達成した小沢一郎のために不正選挙陰謀論を唱えて裁判を起こしていたRKは最高のピエロでしかなかったことになってしまうのに、である。
党員から金を集めて本をだし、党員を不正選挙の喧伝に駆り立てた自分はいったいマイナス何百点なんだ(不正選挙のPRで許可なくビラをまいた党員には警察に捕まった人までいる)。

あの一連の出来事はもはやなかったことにでもなってしまったのだろうか?

今の独立党に当時のことを覚えているメンツがいないのであろうか(まだ10年も経っていないんだけど)?
それとも、そんなこと考えるような能のある人間は残っていないということなのであろうか?
それともこれは自らへの忠誠心を試す篩なのだろうか?

独立党員は試されている(かもしれない)。

ちなみに今回の謎の評定で60点もらえた小林興起は、現在、天木直人、黒川敦彦と共に新政党「オリーブの木」を立ち上げている。
天木直人といえば(私の中では)911陰謀論の人だし、黒川敦彦といえば(私の中では)加計学園問題で頑張ってた陰謀論者である。
枝野幸男に失望したら、今度はここにとり憑けばいいのではないだろうか?


《参考動画》
リチャード・コシミズ独立党岩手北上講演会2019年5月25日ツイキャス配信録画 1/2
後半の動画では地球温暖化とか語っています。どうでもいい。

小林興起氏が政治団体設立=参院比例に天木元大使ら

原点回帰

小沢氏への一方的な信頼関係が終わりをつげ、安倍総理を抹殺すれば英雄だなどとのたまい、クーデターを容認するようになった流れを考えればある意味当たり前なのだが、リチャード氏は政治家全般に対する期待というものを放棄したようである。

 

◆「期待する方が世間知らずの馬鹿」

政治家に何かを期待する方が世間知らずの馬鹿というわけです。
政治家というものは一切信用できないものです。
政治家が信用できないのは、政治家には、飼い主・黒幕がいるからです。

単に文章だけでいえば、とんがっているだけの人といえなくもないのだが、ここ数年天木直人、小林興起、敏いとう(国民新党)、竹原信二、岡本英子(民主党)、藤島利久、姫井由美子、太田かずみ、犬丸勝子と、様々な政治家(そのほとんどが候補で終わってしまったが)と積極的に関わってきたリチャード氏が言うと「なにを今更いっているんだ」というツッコミは免れない。

加えてこの方針の変化は、ごく個人的な内面の問題では済んでいない。
わずかとはいえ彼の影響下にあった人間が、彼の支持政党のために尽力して来たのだ。

昨年で言えば、小沢一郎の生活の党には議席を取らせる価値があると信じているだけなら平和でよかったが、議席が取れなかったのは不正選挙のためだという主張をし、そのことを世間に知らしめるために手段を選ばないことを美化しだしたのは明らかに問題であった。。
「今は戦時なので」という勝手な非常事態宣言のもと、時には法を無視した活動まで行い、結果として数名の党員が無許可ビラまきなどで逮捕され、すねに傷を持つ身となってしまった。

不正選挙を知らしめるために法を犯すという行為まで、煽動してきたにもかかわらず、いまになって小沢一郎は裏社会の味方になったとか、政治家は一切信用できないとか、一連の手の平を返す発言は無責任もいいところである。

「これまでの活動を振り返らずに「政治家に何かを期待する方が世間知らずの馬鹿」と言ってしまうような人間を信じたほうが馬鹿」ということなんだろうか。

 

◆選挙は後回し?

また、『政治家が信用できないのは、政治家には、飼い主・黒幕がいるからです。』には以下のような文言さえ出てきている。

ユダヤ権力を倒し、世の中が正常に向かえば、裏社会に支配されない、まともな人間が政治家となる道が開けると考えます。今は、まともな政治家は不正選挙で落選させられます。

「選挙で勝利して世の中を正常にする」という順序ではなく、「(何らかの方法で)世の中を正常にしてからまともな政治ができるようになる」という順序ならば、これまでやってきた不正選挙糾弾の活動は何だったのだろうか?
不正選挙の糾弾は、選挙運動を正常化すれば、その結果として独立党で応援している政治家が国政を担うことを目的としていたはずであり、先に挙げたリチャード氏の発言はそれを真っ向から否定してしまっている。

また、上記引用文からは、もう政治や選挙にはタッチしない、それよりもほかの活動で世の中を正常にすることを優先するという考えが見て取れる。

これまでやってきたことを無駄と言ってるも同然の発言に関する説明や、これまでに少なからぬ代償を払ってきた党員たちに対する謝罪なり釈明なりがあってもよさそうなものだと思うのだが、コメント欄が特に荒れて散る様子もないので、独立党内はみな納得しているのだろう。

リチャード氏が京都の講演会に天木直人を呼んだのが2007年のことなので、政治家に働きかけたりするようになって7年ということになる。
7年にわたる活動から導きだされた結論は「政治家は信用できない」。

旧リチャード・コシミズHPにおいては『与党も野党も朝鮮人だった…..』という、在特会顔負けの朝鮮人認定で、あらかたの政治家を在日朝鮮人だと決めつけていた。
もちろんこれらの話に裏付けなどはなく、彼の不信感や嫌悪感が形になって現れただけの代物である。
7年かけてこの立ち位置に戻ってきたといえるだろう。


行き過ぎた活動をした党員を逮捕したり、自分の保険金詐欺の訴えを聞いてくれなかった警察、自分たちの起こした選挙無効訴訟を棄却した裁判所、尽くしてきたのに自分の期待に応えてくれない政治家たち。
何もかもを思い通りに動かせず、「政治家も、裁判官も警察官もメディアも浄化しなくてはいけない。元栓を締めないと毒ガスは流れ続けます」(『政治家が信用できないのは、政治家には、飼い主・黒幕がいるからです。 』)というリチャード氏だが、司法・立法・行政、そしてメディアのいずれの力も手続も利用せずに打倒して世の中を「浄化」しようという発想はかなり悪の組織っぽい。

 

これまでも手のひらを反してきたリチャード氏なので、今回の政治家に対する不信感もいつか「国士政治家」を見つけた瞬間にうそのように消えてしまうことは十分ありうる。
どのくらいリチャード氏の決意が持つものなのか、のんびり眺めていこうと思う。

 


《参考記事》

政治家に何かを期待する方が世間知らずの馬鹿というわけです。
政治家というものは一切信用できないものです。
政治家が信用できないのは、政治家には、飼い主・黒幕がいるからです。
(以上、richardkoshimizu’s blog より)

リチャード小説を読んで【番外編】:『12・16不正選挙』

今回は、リチャード・コシミズ著『12・16不正選挙』(以下、本書と略)を紹介。

これまで、『小説911』以降のリチャード・コシミズの著作を読んできたが、この本はその中で随一である。

リチャードコシミズの著作の中で最高のトンデモ本であるとさえ思う。
去年の2作はすごく退屈してしまっていたのだが、今作で不正選挙陰謀論を本にまとめられた形で読んでみると、実にバカバカしくてよいのである。

不正選挙説そのものは、過去記事『不正選挙2012』、『不正選挙諸説』などで取り上げてきたが、改めて本書に書かれている陰謀論にツッコミを入れるかたちで紹介していきたいと思う。

 

◆小説ではない

この本は小説ではない。

過去作では小説という形態をとり、事実とは無関係であるという断りを入れておくことで、内容に根拠がないことや政治家や要人、あるいは宗教団体や民族的・性的マイノリティに対する誹謗中傷の類をごまかしてきたところがあった。

しかし今作ではそういった「安全策」は施されていない。
フィクションであるという断りはないし、人名・党名を当て字で表現するごまかしもない。

ここ最近、独立党が多くの地方紙や雑誌に本書の広告を出していたが、その中で朝日新聞は掲載を断っている(『朝日新聞さんから「書籍広告掲載」を断られました。』)。
本書がこれまで通り小説を自称しているのなら、内容が根拠薄弱な話であっても掲載を断られることはないのではないかと思っていたのだが(とはいえ差別的な表現が引っ掛かる恐れがある)、今回のようにどストレートに書いていればそれは掲載を拒否する十分な理由になるだろう。

とまあ、とにかく小説ではないから今回の記事はあくまで「リチャード小説を読んで【番外編】」なのである。

 

◆不正選挙説-未来の党得票数

本書は、2012年12月16日の衆議院選挙で不正な行為が行われたということを主張している。

かの衆議院選挙では日本未来の党が圧倒的多数の44,600,000票(公式発表では3,423,915票)を獲得して第一党であったはずにも拘らず、ユダヤ金融資本の不正選挙工作によって票を書き換えられ、あるいは密かに票を遺棄されてしまったという。

4,460万票という数はとてつもない数である。
公式発表では衆議院選で第一党となった自民党得票数は約1,662万票なので、3倍近い票をとったことになる。
これを金融ユダヤ人とそれに与するマイノリティーが4,000万票を超える日本未来の党の獲得票をどうにかして減らしたということになる。

ではこの44,600,000という莫大な得票数は一体どこから出た数字なのかというと、以下のような計算式が示されている。

2009年衆院選の総票数70,581,658 x 75 / 69.28%(戦後最高の投票率)=2012年衆院選の総票数(推測)77,400,000 x アメブロ投票比率 72% x 80%(非ネット人口を考慮) = 44,600,000票
(197ページ)

意味が分かるだろうか?
最初これを見た時、私はこの羅列をどのように理解したらいいのかわからなかった。

「アメブロ投票比率」というのは、アメーバブログで非公式に誰かが行ったネットアンケートで導き出された未来の党の得票率である。これはこの数式のちょっと前に出てくることなので理解ができるのだが、最初の方のごちゃごちゃした計算が何を意味しているのかがやたらと複雑で非常にわかりにくい。

これは、「2009年衆院選の総票数70,581,658 x 75 / 69.28%(戦後最高の投票率)=2012年衆院選の総票数(推測)77,400,000」で区切るのが正しいようである(「=」の記号を数学的に正しい用法で理解しようとすると、この数式は「2009年衆院選の総票数=44,600,000票」となり、完全に理解不能になる)。
2012年衆院選の総投票数を推測するためにわざわざ2009年の総投票数を投票率で割って有権者数を計算し、それに投票率75%(実際には比例は59.31%)をかけているのだ。
無駄にややこしい
こうやって無駄な計算をして総投票数(推測)を出し、それに「本当の得票率」である72%をかけたうえ、「ネットをやってるのは有権者の8割くらい」という判断で80%で割って、44,600,000票という票数になったそうだ。

総務省のデータでは当日の有権者数は103,959,866なので、それに75%と72%を掛ければいい。
それだけで済む話を何をごちゃごちゃやっているんだか。

ここで使われている、リチャード氏の考える未来の党の得票率と現実の結果では実に67%も違っているが、この根拠となるのがネットの方が正しいという信念である。

まず挙げられているのがウォールストリートジャーナル日本版で行われたネットアンケートの結果を報じる記事
このアンケートの結果、63%が「未来の党に期待する」と答えたことを根拠にリチャード氏はこのように予測する。

実は、この外国紙の「未来の党に期待するが63%」が真実であり、読売の「期待しないが70%」が嘘まみれなのだ。裏社会は、日本の既存メディアの統制ばかり気を配り、外国系報道機関の日本支社の報道管制にまで手が回らなかったのだ。選挙後の諸所の情報を総合してみても、未来の党の本当の得票率は60%どころか70%に達していたともくされるのだ。
(37ページ)

また、先ほどの計算式ではアメブロのアンケート結果を利用していたが、このように書いている。

本当のところ、未来の党はどのくらいの票を獲得していたのか?12月23日に「アメブロ」でのネットアンケートの存在が報告される。「衆院選では何処に投票しましたか?」のアンケート結果は・・・「未来の党 72%」であった(13.1.9現在では75%)
http://pentatoys.com/qv/r/?id=2024
未来の党の比例区の得票率は、340万で共産よりも少ないことになっている。得票率は、5.69%だ。一方で選挙後のネットアンケートでは75%おそらく75%の方が、真実に近い数字であろう。

裏社会は未来の党の票を十分の一以下に改竄した!そう断言しても大きな誤認ではないだろう。
(196‐197ページ)

ネットでのアンケート結果と、世論調査や実際の得票率が一致しないからネットの方が正しくて世論調査や投票結果が間違っている、十分の一以下にされた!というのである。
十分の一以下にされたという割に、自らの試算では15倍くらいしちゃってるのはいいのか?

ちなみに次のようなエピソードも紹介されている。

ある有志の報告では、ご主人が所属するフラダンス同好会15人のうち、自民党に投票したのは堂々の0人。消費増税・脱原発の話題になり、①選挙に行ったのは、13名。つまり85%だ。②ほぼ全員が反増税・脱原発であり、投票先は未来の党は11名、共産党2名、みんな2名だったそうだ。未来の党支持率は70%=になる。
(197ページ =の位置は原文ママ)

フラダンス同好会の15名というささやかなサンプルを根拠に得票率を語ることも無理があるが、15名中13人しか投票に行ってないはずなのに、投票先の合計人数が15名なのはもっと無理である。

全体の投票率そのものが戦後最低であることにも疑義を申し立てているのだが、その根拠は「投票日に長蛇の列ができている投票所があった」という程度のもの。
長蛇の列が一時的なものかずっとそうだったのか、どこの投票所でもそうなっていたのかを証明しきれておらず、上記の怪しげな計算式で「本当の」投票率を75%に設定している根拠も特にない。

 

◆不正選挙説-未来の党の票はどうなったか

リチャード氏の考えよれば4460万票もあった未来の党の得票が340万票にまで減らされたということであるが、その差となる4120万票は一体どうなったのかということに関して、リチャード氏はいくつもの陰謀論を展開する。

選挙前日の12月15日、日本全国で「異臭騒ぎ」が報告された。八王子市・大阪府北部・東京都葛飾区・群馬県・静岡西部・横浜市青葉区・板橋区・埼玉・練馬・菊川・掛川・・・非常に広い地域で同様の「焦げ臭さ」が報告されている全国で一斉に「何か」を焼いた?「野焼き」が目立たない夜をねらって?ここからは推論である。

「期日前投票」のホンモノの票を裏社会総動員で焼却したとみる。(公営の焼却炉に運び込むのは発覚の危険があるので避けたのでは?)投票用紙は、ユポと呼ばれるPP(ポリプロピレン)製合成紙。燃せば、プラスチックを燃やした匂いがする。証拠隠滅であったのではないか?
(32-33ページ)

投票用紙を焼くとは豪快な話である。
しかも「公営の焼却炉に運び込むのは発覚の危険があるので避けたのでは?」などと書いているが、焼却炉が危険だからってそんじょそこらで焼いたりしたら、そっちの方がよほど目につくではないか。

たかだか物を焼いている匂いを嗅いだというだけで、そこで焼かれているものが投票用紙であると判断した根拠はでてこない。

 

このほか、「投票活動を呼び掛ける車があまり来なかったのは投票率を下げるため」とか「未来の党の候補者が小選挙区で獲得した票に比べて比例区で獲得した票が少ない」とか「ユポ紙の投票用紙はツルツルして鉛筆で書きにくいのになぜ使うのか」など(ユポ紙の投票用紙って表面サラサラしててすごく鉛筆で書きやすいんだけど……)細かい陰謀論いくつかが書かれているが、何より有名なのがムサシの票計数機の話である。

リチャード氏によると、株式会社ムサシの票の計数機には票を書き換える機能があるという。

レーザーアンプリンターである。基材から超短パルスレーザーでトナーを蒸発させて除去する。投票用紙から「未来の党」が消える。次にレーザープリンターで「自民党」と印刷して排出する。
(140ページ)

「投票改竄装置!」である。印字された用紙を、この機械を通すと別の印字に変わって出てくる。つまり、この機能をムサシの計数機械に内蔵させておけば、「鈴木一郎」と鉛筆で手書きされた表は、「近藤晴彦」に変わって排出されるのだ。
(142ページ)

ムサシの計数機には票に書かれた党名を判断して、票にかかれた政党名を消したり書いたりする機能があるのだという。
計数機とは票を数えるための機械のはずなのだが、読取分類機とアンプリンターとプリンターの機能までくっついているのだそうな。
それぞれの機能を持った機械は存在しているが(アンプリント技術はまだ開発中)、それらすべてを盛り込んだこの超複合機が実在することを確かめたものは誰もいない。

サル、タヌキ、虎、蛇という動物はこの世に存在しているが、「サルの頭とタヌキの胴体、虎の手足をもっていて尾が蛇になっている妖怪ヌエ」が実在していないのと同じである。

このほか、ペンシルプリンターの技術で書き換えた可能性もほのめかしてはいるのだが(144‐145ページ)、この技術に至ってはコンセプトだけでいまだ確立されてもいない。

はっきり言って「ムサシの票書換機」などというものは、ネッシーや宇宙人、ちいさいおっさんと同じくらいの代物なのだ。

 

◆不正選挙説-反論は陰謀

こんな無謀な説を唱えるリチャード氏の不正選挙説に対する反応はさまざまである。

「自民党らが不正を行った結果、大勝するはずだった未来の党が議席をほとんど取れなかった」という主張は、自民支持者から反発を、未来支持者から歓迎を受けやすいだろうことは想像に難くない。
リチャード氏のブログに攻撃的なコメントが書き込まれており、リチャード氏はそれらを「裏社会から脅しが」として紹介している。
当ブログではリチャード氏の面白ささえ伝えられれば十分なので、これらの余り利口とはいえないコメント郡についていちいち引用はしない。

リチャード氏はこれら鼻息の荒いコメントを「組織の中の武闘派」による書き込みと断定し、「この種の品も知性もない書き込みは逆に不正選挙の証拠と見做される」という。
この他にもガラの悪い留守電が2本きていたことを報告し「この恫喝電話は、12・16不正選挙に創価学会の裏部隊が関与していることを証明するようなもの」としている。

ガラの悪い、いちいち相手にしなくていい種類の電話だろうが、それが何で創価学会の関与を示しているのか一切不明である。 それと、少々暴力的で威勢のいいコメントを書き込む程度の人間を世間一般では「武闘派」とは言わない。

しかし、寄せられるコメントは何も物騒なものだけではない。
これを機会に創価学会を抜けましたといった、前向きに受け止められるコメントも寄せられているという。
特に私が面白いと思ったのは以下のものである。

「劣等感の塊で、いつも自分はダメだという気持ちがあり人の中に入っていくのもつらかったのですが、今はそこから抜け出すことが出来ました。ありがとうございます。」

ユダヤ金融資本との戦いの中で自分の殻を破り新しい自分の世界に躍り出た人も出てくる。私RKは陽気に彼を迎える。

「私RKも従来はとても弱い人間でした。でも、あなた同様にある日突如「吹っ切れて」以来、真正面を見据えて堂々と生きることが出来るようになりました。おめでとうございます。本物の人生があなたにもやってきたのです。ご活躍を!」
(109-110ページ)

なんだか自己啓発セミナーを思わせるような感動のやり取りだ。
コメントを残した彼はさらなる泥沼に足を踏み込んだだけなんだろうが、強く生きてほしい。

 

◆あふれる小沢一郎

とまあ、不正選挙陰謀論としての本書の面白さはここまでにして、この本で私が一番傑作に感じた部分を紹介。
なんといっても本書でいちばんトンデモなのは、リチャード氏が小沢一郎氏に対して抱く一方的な好意である。

リチャード氏によれば本書に書かれている裏社会の陰謀を、未来の党の小沢一郎氏も見抜いていたという。

選挙の神様、小沢さんの天才的な采配は今回も遺憾なく発揮された。選挙公示直前になって、国民の生活を解党し、未来の党に合流した。

「反原発」を旗印にした嘉田滋賀県知事を頭目に据えることによって、女性層の票を一気に取り込もうとしたのだと誰もが思った。そしてその策は功を奏したはずだ。

だが、小沢さんの深謀遠慮はその程度のレベルのものではなかった。小沢さんは、今回の衆院選挙で大規模不正が行われると読んでいた。
(45ページ)

そう、未来の党への合流は裏社会の謀略をかわすための物だったのだそうだ

こうして党名を変更することで、裏社会が準備していたニセの投票箱(何でも多量の自民党票と少量の国民の生活票で構成されていたものを準備していたらしい)は使えなくなってしまったのだという。
これによって裏社会は「稚拙な」手口に走らざるをえなくなり、多くの国民が不正選挙の存在に気付くきっかけになってしまったのだそうな。

そして2013年7月の参院選。不正選挙を糾弾する国民の強い意思は、政権を詐取した自民公明に、「再選挙」を要求するであろう。かくして、衆参同時選挙が行われることになれば、小沢さんの「生活の党」は大勝利を収める。多くの候補を擁立すれば、単独で政権を掌握できる可能性すらある。そこまで読んで、小沢さんは未来の党に合流したのではないか?であれば、ものすごい智謀家であると言える。RKもタジタジである。
(48ページ)

選挙の前からそのつもりであったとすら推測できるのだ。解党に際しての小沢さんと嘉田知事の笑顔がすべてを物語っている。有権者の大半には理解できなくても、やっぱり、小沢さんは当代随一の策士なのだ。
(162ページ)

RKもタジタジである」の記述には思わずふいてしまった。

上記の陰謀やらあるいは小沢氏による反計は、あくまでリチャード氏の脳内だけの話で、当然ながら小沢氏はそんなことを一言も言っていない。
小沢氏の未来の党の合流とその後の大敗をすべて自分のいいように解釈し、「智謀家」と讃え、勝手にタジタジになっているのだ。

引用文を読んで気づいた方もいるかと思うが、本書では小沢氏のことをほとんどの場合において「小沢さん」と“さん付け”で呼んでおり、強く親近感を持っていることがうかがえる。

相手を勝手に自分にとっての理想的な人間と決めつけ、信じ込み、それに沿うよう状況を解釈して一方的に強い好意を抱いている。
これが色恋沙汰ならストーカーといわれてもおかしくないだろう。

ただでさえ今の生活の党は存在感を示せておらず、7月の参院選で苦戦を強いられるだろうに、こんな変な人に変な期待をかけられていて実に気の毒なことである。
しかもリチャード氏は『独立党員諸君、7月4日(木)千葉に集まってください。』の記事で、ネットの中から一歩踏み出し、生活の党の議員を応援するつもりである事を表明している。

あまりかけてあげられる言葉はないが、せめていうなら「小沢逃げてー!」である。

 

……以上が当方の『12・16不正選挙』の紹介。
ここ2作の出来には非常に不満があったのだが、それを吹き飛ばしてくれる怪作に仕上がっている。
トンデモ本としての評価は★4つはつけたい。

これだったら、来年のトンデモ本大賞に候補作としてノミネートされてもおかしくないのではないだろうか。

全力で棒に振る

以前に書いた『戦時(笑)』の記事では最後にこう書いた。

リチャード氏の狂った世界観に引きずられて自分の人生を棒に振るかもしれないということを少しは自覚する必要があるだろう。

当ブログの読んでくれているのは基本的にアンチあるいはウォッチャーの人なので、こう書いたところで独立党員の目に留まることはほぼないとわかっているのだが、それにつけても「とうとうこんな事態になったか」というのが感想である。

「不正選挙」と書かれたビラを自民党のポスターに貼りつけた疑いです。

警視庁などによりますと、無職のT容疑者(42)は22日午後、東京・国分寺市で、自民党の政治活動用のポスター4枚に「12・16不正選挙」と書かれたビラを貼りつけた疑いで逮捕されました。取り調べに対し、「安倍総理は嘘つきだから頭にきてやった」と供述しています。国分寺市などでは今月、同様の被害が15件以上あり、警視庁が余罪を調べています。
4/23 ANNニュース

ということで、テレビ朝日の夕方のニュースで流れたという。
ANNのサイトは文章のみで映像をアップロードしていないので、「この時間に入ってきているニュースです」みたいなニュースフラッシュとして報じられたという程度なのかもしれない。

“自民党のポスターに「12・16不正選挙」と書かれたポスターを貼った”ということで、独立党関係の人間(党員あるいは心情党員)であるとは思うのだが、もしかしたら無関係かもしれないので(その可能性はかなり低いと思うが)当ブログでは名前を伏せておく。

以前に独立党で紹介された「浜松町烈士」と同一人物なのか、別人なのかも不明である。

独立党がバカすぎて二人目の逮捕者を出したのか、それとも浜松町駅でバカやった人が国分寺まで足を伸ばしたら今度は上申書では済まない結果になったのかは今のところわからない。

【2013/06/02 追記】 のちに「浜松町烈士」が市川の検察から呼び出しを受けたことから、別人であると思われます。

この事態に対してリチャード氏は大変歓喜している。
「18時台のテレ朝ニュースで、自民選挙ポスターに『12・16不正選挙』ポスター貼りで逮捕」だそうです
「自民選挙ポスターに『12・16不正選挙』ポスター貼りで逮捕」W
「安倍総理は嘘つき」ポスターに“貼り紙”で逮捕」:世の中が突如動き出した!
「不正選挙ポスター」に衆目が集まった今こそ、不正選挙ポスターをあちこちに置き忘れる絶好の機会です。

逮捕者を国士と讃え、これを機に日本中の未来の党に投票した人たちが目を覚ますとし、「さあて、電柱に貼り忘れに行こうか。」とチラシ貼りを呼び掛けている。
法律に触れるような活動をした結果の逮捕を称賛し、推奨するなど正気の沙汰ではない。

かつて小沢一郎擁護デモを陰謀と認定したとき、こんな企みがあると主張していた。

小沢支持デモの拡大→扇動工作員の潜入・暴徒化→当局による一斉検挙→「小沢支持派」の一掃と「左翼過激派」のレッテル貼り→小沢一郎の政治的完全抹殺
(2011/02/28 『ロックフェラーさんの企画した2.27鎌倉謀略デモを総括します。B層の皆さん、意味不明でしょ?』)

いまでは自ら反社会的活動を通して未来の党ひいては小沢氏を応援するという、「最悪の支援者」をやってのけている。

T氏は軽犯罪で逮捕され、テレビとインターネットで名前・年齢・職業(無職)を報じられるという破目になった。
事件が全国放送されたことに狂喜乱舞し、「世の中が突如動き出した!」などと無邪気に喜ぶリチャード氏は、いつごろまで今日という日のこの出来事と、彼という犠牲の存在を記憶していられるのだろうか?

そしてフェイスブックでリチャード氏に友達と申請したという森ゆうこ議員の危機管理能力は発揮されるのか、見守っていきたいところである。


《参考記事》

「18時台のテレ朝ニュースで、自民選挙ポスターに『12・16不正選挙』ポスター貼りで逮捕」だそうです
「自民選挙ポスターに『12・16不正選挙』ポスター貼りで逮捕」W
「安倍総理は嘘つき」ポスターに“貼り紙”で逮捕」:世の中が突如動き出した!
「不正選挙ポスター」に衆目が集まった今こそ、不正選挙ポスターをあちこちに置き忘れる絶好の機会です。

ロックフェラーさんの企画した2.27鎌倉謀略デモを総括します。B層の皆さん、意味不明でしょ?

森ゆう子議員よりFacebook友達申請をいただき、ご承認申し上げました。
(以上 richardkoshimizu’s blogより)

「出番」らしい

今回は久しぶりに講演会動画を視聴したのでその紹介。

今回見たのは11月30日に行われた独立党東京講演会「さあ、俺たちの出番だ。」
ここでいう「俺たち」とは独立党というよりは日本人全体のことを指しているように思われる。

内容はというと、ざっくりいって「日本人はすごいんだぜ」というもの。
日本は今元気がないが、本当の実力や底力はこんなもんじゃないんだ、と鼓舞するような内容である。

おそらくこういう内容の講演は受けが良いのではないだろうか。
ユダヤ人が悪い、アメリカ人が悪い、というような他者に対する攻撃的な言辞よりは、自分たちはすごいんだというメッセージの方が前向きだし、素直に受け止めやすい。

リチャード・コシミズ名言BOTというものがTwitter上に存在するが、そこに登場する名言もやはり日本人を優れた民族として鼓舞するような発言が多い。

それだけ聞くとまあ、まっとうそうな印象はあるかもしれないが、彼が民族主義者であり、差別的な人間であることをお忘れなく。

 

◆日本の資源・エネルギー

まずは日本に関する資源の話からスタート。

日本では都市鉱山と南鳥島でのレアアースの発見により、資源大国になったという。
都市鉱山というのは、使用済みのパソコンや携帯電話に使われている希少金属や貴金属を一つの資源とみなし、それらを再利用するということ。

そして南鳥島のレアアースとは、2010年の尖閣諸島での漁船衝突事故から派生した中国のレアアース禁輸措置に端を発した調査によって、南鳥島の排他的経済水域内で680万トンに上るレアアースが発見されたというもの。

都市鉱山の貴金属類はあくまで過去に輸入したものを効率よくリサイクルするというものであるが、こちらは純然たる資源である。

これだけだったら、「やったね!」という話であるが、リチャード氏はそこに陰謀論をからめずにはいられない。さすがだ。
南鳥島は小笠原諸島に属しているが、小笠原諸島が世界遺産に認定されているため採掘が難しくなる可能性があることに言及し、その世界遺産認定こそがレアメタル採掘を妨害するための陰謀であるという。

圧力かけて調査させなければよかったんじゃないかとも思うが、それ以前に小笠原諸島の世界遺産認定は2011年なのに対して、レアアース発見は2012年6月である。裏社会はいつレアメタルの調査などしたというのだろう。

 

そしてエネルギーの話。
バイオエタノールとメタンハイドレートの2つに言及しているが、この話は何とも珍妙な発言が飛び出していてたのしい。

まずバイオエタノールだが、現在日本の岐阜県にあるベンチャー企業がこれまでに比べてコストの低いバイオエタノール生産技術を開発したという話(動画内でリチャード氏は社名を出していないが、株式会社コンティグ・アイのことと思われる)。

この新技術にいたく喜んでいるリチャード氏だが、その一方で裏社会に対する警戒感を強くにじませている。

「これを何としても本物にしなくちゃいけない。で、間違いなく邪魔が入る。
こんな恐ろしい技術を開発したら、真っ先にロックフェラーが汚いことを考える。
もうすでに考えているかもしれない。
で、一番最初に考えられるのが、銀行筋からの金融の引き締め。借金できなくしてやる。開発費が出ない。設備を作る費用が出ないとうところ。
それからもう一つは、政府に手を回して、助成金を出さない。こういうことをやってきます。
間違いなくやってくる。これまだ若い社長。だからねえ、わかってないと思う。世の中の仕組みを。
だから、誰かこの社長知ってる人いたら、ぜひ教えてあげてほしい」
(01/08 13:35)

「結局やっぱり心配なのは、ユダヤ石油メジャーは絶対にほうっておかないということ。だから、逆に我々は”あんたらがやる手口は知ってるよ!”ってころをはっきり言って、この小さなベンチャー企業を守ってあげなくちゃいけない。
おそらく、官僚を邪魔をすると思う。完了は、裏社会の仲間ですから。
裏社会のために官僚が、ヘンな法律を作ったり、もしくは助成金を絞ったりしますから。
汚い連中です。
何しろ官僚の連中はアメリカの何とか大学に留学してたりしてて、洗脳されてますんで。コロンビア42大学とかいろんなとこ行ってますんで、信用できません!売国奴がいっぱいいます」
(02/08 2:40)

「みなさん忘れないでください。それらしい兆候が見えたら大騒ぎしてください。
我々が騒げば、連中はすごすごと引き下がると思います」
(02/08 3:40)

独立党がネットから守ってくれるそうである。まったくもって心細い。
実力行使までしておきながら、インターネット上で1000人程度の人間が騒いだらすごすごと引き下がるという裏社会。
どれだけネット弁慶なんだ。

そしてメタンハイドレート。
解説自体はまともであるという印象を受けたが、この話が地球温暖化に及んだ時にまた珍妙な発言が飛び出してきた。
いわく、メタンハイドレートの気化こそ、地球温暖化の原因であるのではないかとのこと。
メタンハイドレート自体まだエネルギーとして運用されていないのだが、一体どうして地球温暖化に影響できるのかと思うが、そこには独特のリチャード・コシミズ理論が存在するのである。

「ただ僕はねえ、大したことある可能性もあるなあと思ってちょっと心配しています。
というのはなぜかって言うと、アメリカのユダヤ人あたりがいつも騒いでるわけ、その二酸化炭素が温室・・・・・・地球温暖化の原因だと騒いでるってことは、他に原因があるのだろうな。
あいつら本当のことめったに言わない。ウソしか言わない連中だから、『本当のこと』は隠しているはずだと。
『本当のこと』はメタンハイドレートのことかもしれない」
(02/08 9:38)

疑惑の心と裏読みが過ぎてちょっとよくわからないのだが、地球温暖化の原因についてユダヤ人たちが二酸化炭素を指摘しているから、むしろ原因ではなくいということらしい。何だその理屈は。ユダヤ人以外も指摘しているだろう。

そして、リチャード氏によれば北極での油田の調査にユダヤ人が核兵器を使っていて、その調査の際に多量のメタンハイドレートが気化して温暖化に影響しているのだという。
この理屈が正しいとするなら、産業革命のころからユダヤ人が核兵器で油田調査をし続けてなくてはならないのだが、そのことはとりあえず気にしていない様子である。
そもそも石油で儲けている連中が、地球温暖化の原因に二酸化炭素をやり玉に挙げたら、それは自殺行為である。
石油を売りにくくなってしまうことくらいわからないのだろうか?

ともあれこの2つの善との明るいエネルギーの話で、日本はまだまだ大丈夫ということである。

・・・・・・で、荒田名誉教授の話は?
日本の未来を照らす国産新エネルギーの話をしているはずなのに、阪大の荒田吉明名誉教授が取り組み、リチャード氏の呼びかけで約300万円の寄付が集められた固体内常温核融合の話は全くナシのつぶてである。
進捗状況なりなんなり–たとえ現時点で実現に至らなくとも–話くらいあってもよさそうなものだが、まったく言及なし!!
独立党員や寄付した人々はこの現状をどう思っているのやら。

 

◆小沢にいちばん近い集団

上記の資源やエネルギーに関する話題の後、産業界についても話しているのだが、ここはあまり面白味を感じなかったので割愛。
ただ一つツッコんでおくと、リチャード氏が講演中に語っていた「耐久消費財は輸出の中で割合が低く、多くは資本財。資本財は円高の影響と関係なく売れる」という話は、どうも元々はリチャード氏の嫌いな三橋貴明氏の話のようなんだが、それでいいのか?ってところである。

この他、相変わらず反日マイノリティの「在日・部落・極左・ホモ」がユダヤ人の手先になって日本の総理を務めているとか、相変わらずの「症状」という感じの発言をしているが、そんなリチャード氏、自分たちの考えは小沢氏にごく近いという。

「『次の総選挙が日本の崩壊の道か、再建の道かの分岐点になる』、『ネットを活用している人たちに大きな力を感じているが、選挙結果にどう結び付くかこれが日本に真の国民主権を確立できるかどうかの鍵になる』
と、ということは?
鍵を握っているのは俺たちだったんだよ。
なにしろ、ネット上で小沢さんにいちばん近いこと言っていて、それだけ人が集まって、発言力があるのは俺たちだけじゃんかよ。
つまり、小沢さんの言ってることは俺たちの双肩にかかっているということなんです。
それだけ重要な役割をいつの間にか我々は担ってしまっていたと、いう認識をしましょう」
(07/08 3:45)

何という自信。超うっとおしい。
8分割中の6番目の動画など、陰謀論や差別的発言を臆面もなくしているが、そんな人間に「小沢さんにいちばん近いこと言って」るなど、図々しいにもほどがある。
リチャード氏が最も近いなら、ほとんどのネットユーザーは小沢氏とはるか離れたところにいることになってしまうだろう。

 

◆オウムとユダヤ陰謀論

これはすこし講演のメインのテーマから外れているが、引っかかる発言だったのでピックアップ。

「フジテレビがなんか変な報道していて、オウム、今のアレフですか?が麻原への回帰を強めてると。
いうことで、オウムの中でユダヤ陰謀論というのが吹聴されていて、特にオウム事件はユダヤ権力、フリーメーソンによってオウム真理教が陥れられたと言うような説明までしてると。
場合によってはわたくしあたりの動画も参考に使われていると。
教科書に使われているという話なんですが、もし私の動画を使うんだったらば、是非ともですよ、ぜひとも『オウム=統一+創価+北朝鮮』!『後援はCIA』とはっきりと信者に教えていただきたいです。」
(07/08 1:57)

どっからどこまでがフジの報道なのかわかりにくいが、おそらくは麻原への回帰を強めているという部分までだろう。
残りの部分はおそらくインターネット上の意見などに基づいているのではないかと思うのだが、リチャード氏は少し誤解しているように思える。

オウムがユダヤ陰謀論を唱えていたのは、地下鉄サリン事件よりも前からの話である。

かつてオウム真理教が発行していた雑誌『ヴァジラヤーナ・サッチャ』の目次に目を通すと、宗教、オカルト、陰謀論に手を出しているのがわかる。
陰謀の首謀者はユダヤ人だったり、フリーメーソンだったり、イルミナティだったりとバラエティに富んでいるが、第8号では阪神大震災人工地震説に手を出しているし(このことを独立党の主張がかぶっているという指摘は少なくない)、第10号ではユダヤ陰謀論を特集している。

第6号では、「アシュケナジーユダヤ人=ハザール人」やホロコースト否定、「アンネの日記偽造説」などに手を出しており、これらの話題はいずれもリチャード氏の主張とかさなっている(ただし、オウムはヒトラーをユダヤ人とは考えていなかったようである)。

どちらか一方がもう片方を真似た(発表された順序から言えばリチャード氏が絶対に後なのだが)ということはないだろう。
単に両者の主張の元ネタが同一であるという程度のものだろう。

 

こんな人に熱烈に支持され、あまつさえ「ネット上で小沢さんにいちばん近い」なんて吹聴され、小沢氏もさぞ迷惑なことだろう。
唯一の救いは、こう主張している連中が実は相当にマイナーだということである。

 


《参考動画》
2012.11.30リチャード・コシミズ東京講演会

《参考記事》
わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵』(独立行政法人物質・材料研究機構
バイオ燃料に新たな可能性』(NHK WEB NEWS
株式会社コンティグ・アイHP
南鳥島でレアアース発見 日本は資源大国になれるのか』(J-CASTニュース
自動車・家電輸出がそんなに重要か(NBOnline、三橋貴明)・・耐久消費財の輸出対GDP比率は、1.652%』(★阿修羅♪

小沢評価変遷の歴史

今回の記事は過去に書いた「小沢総理待望論」の追加増補版みたいなものだと思っていただきたい。

小沢氏が陸山会事件で無罪となったあたりから、もう一度リチャード氏の中での政治家小沢一郎に対する評価を詳細に追跡してみようと考え、リチャード氏のブログなどをさらに細かく調べてみました。

2007年7月の選挙から現在まで調べましたが、分量が多いのですべてをまるまる転載することはせず、目立つものをピックアップする形で紹介します。

赤い太字はリチャード氏の発言ではなく、その当時起きた出来事を書いたものです。

小沢評価変遷の歴史 の続きを読む

2012年6月の観察記

菊池直子・高橋克也の両名がついに逮捕され、オウム事件のわからなかった部分がわかるかもしれないという今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

この件についてリチャード氏の言うことは目新しくなく、相も変わらず「教祖奪還テロ」だとかいう話が多いので特に記事にする気がわかないが、「地下鉄サリンじゃない事件」の記事にツッコみを入れておく。
「サリンを製造する能力のあるオウム真理教に罪をかぶせるという計画なのに、なんでサリン以外の神経ガスを複数使ったの?バカなの?」ということである。

今回はそれ以外の話について書くことにする。

 

◆シリアの「少数派」

ユダヤ人が大イスラエル建国をもくろんでいると夢想するリチャード氏にとって、シリアでの騒乱は「裏社会 VS それに対抗する人々」の図式で置き換えられているようである。

中ロの2カ国とアサド政権が「対抗する人々」で、それ以外の現シリア政府を批判するものは概ね「裏社会」の側があてはめられている。

現在、シリアで起きている政府と政権支持者たちによる虐殺や破壊行為に関しては、反政府組織や国連停戦監視団やアルジャジーラと、様々な立場の組織から証言が寄せられているが、リチャード氏によればこれらはアサド政権を極悪であるかのように喧伝する捏造報道であり、虐殺をしているのはシリア政府軍の制服を着たユダヤ人部隊なのだという。
もちろんこの主張には全く根拠を示すことができておらず、文末を疑問形にしてお茶を濁している。

また、反体制派の代表にクルド人亡命者のサイダ氏が選ばれたことに対して、少数派のクルド人ではなく、アラブ人が選ばれるべきとのべている。
リチャード氏は記事「ユダヤ金融悪魔の「シリア・マノリティー支配」手口が見えてきました。」にて「クルドといえばクルド系イラク人の中に少数いるユダヤ教徒」などと書き(シリアの話をしているはずなのだが)、「クルド人=ユダヤ教徒」という連想でユダヤ人陰謀説をのべているが、実際にはクルド人の大半はイスラム教徒であり、特にスンニ派が最も多い。
外務省HPの情報によれば、シリアでの宗教構成ではスンニ派が最も多く74%。イスラム教の他の宗派が16%で、残りはキリスト教であるという。
サイダ氏は民族的には少数派に属するかもしれないが、宗教構成でいえば決して少数派ではないのだ。
それどころか、アサド政権支えているのはアラウィ派であり、宗教的には政権側の方がむしろ少数派なのである。

 

◆トンデモ本大賞陰謀説

前回の記事で紹介したように、『3.11同時多発人工地震テロ』はトンデモ本大賞の受賞を逃すどころか、候補作としてのノミネートすらなかった。

それでも「人工地震兵器説」をテーマにした泉パウロ氏の『本当かデマか 3・11[人工地震説の根拠]衝撃検証』が大賞に輝いたことにリチャード氏は反応せずにはいられなかったようである。
この件について「牧師が書いた3.11人工地震説本が「日本トンデモ本大賞」を受賞」で記事にしている。

いわく、「トンデモ大賞をパクリ本が受賞したとなると、やはり、「311人工地震を唱える奴は基地外」とB層奴隷大衆に思わせるのが目的だったのでしょうか?」とのこと。

しかしながら地震発生から1年以上経過し、本が出版されて既に10か月程度の時間が経過している。
この手の話を信じるような人たちに一通り流通してしまってから、とくに権威もない趣味集団の賞に輝かせても、たいして「火消し」効果は期待できそうにない。

今回リチャード氏は自分の本がトンデモ本にノミネートされなかったことを、自分が真実を突いた本を書いているから話題に上げることを避けたと前向きに考えているかもしれないが、その解釈も若干無理がある。
なぜなら2010年には『小説911』がノミネートされ、『トンデモ本の世界X』で紹介されているからである。

 

◆週刊文春が報じた小沢和子夫人の私信

週刊文春によると、小沢一郎氏の妻である和子夫人が小沢氏の行状を非難し、離婚する旨を伝える手紙を近しい人間たちに宛てて送付していたという。

同誌にはその全文が転載されている。

これが政治家としての小沢一郎にどれほどの影響を与えるかはわからないが、この記事の内容から小沢氏に幻滅したという人もいるだろう。
もちろんこのことと政治は切り離して支持を続けるという人もいるだろうが、全体としてプラスにならないことは確かだ。

リチャード氏はこの件を陰謀と考え、「小沢一郎夫人が支援者に「離婚しました」」「奥さん、やめときなはれ。」の2つの記事を書いている。

記事の感想はというと、「週刊文春の当該記事を読んでいたら、こういう擁護の記事は書かないと思う」という内容。
おそらくリチャード氏は週刊文春を読んでいない。読んでこれならどうしようもない。

和子夫人がつづったという便箋に書かれていた主な内容は、「隠し子を愛人(隠し子を生んだ女性とは別人)の養子にさせている」、「震災後、地元の岩手にいかないだけでなく、放射能を恐れてひきこもっていた」というもの。

リチャード氏は「奥さん、やめときなはれ。」にて「小沢さんほどの知見を持った高度な政治家の考えることは、そのへんのB層奥さんには到底理解できない」などと書いているが、和子夫人の非難した内容には「政治家」としての高度な考えというものはない。
それとも、愛人に隠し子の世話をさせるのは高度な政治判断だったと言いたいのだろうか?

あきらかに週刊文春に掲載された記事を無視して、とりあえず陰謀とだけいっておくいい加減さが見て取れる。

 

こんなリチャード氏の書いた「リチャード・コシミズの新しい歴史教科書」が発売間近である。
すぐに買って読む予定はないが、いずれは記事にするつもりなのでその時は(超長文でも)お付き合いいただきたい。


《参考記事》
地下鉄サリンじゃない事件

シリア反体制派=ユダヤ侵略軍、ユダ金の金欠で武器弾薬調達できず。シリア中部の拠点から撤退。
●シリア軍、離反兵40人以上を処刑か ホムスで砲撃続く
シリア政府、反政府勢力を鎮圧と発表
シリア内戦はユダヤ人の領土野心が原因
ユダヤ金融悪魔が仕掛けた「シリアの大イスラエル併呑計画」
Victory Road
シリア内戦、虐殺したのはどっち?
ユダヤ金融悪魔の「シリア・マイノリティー支配」手口が見えてきました。

牧師が書いた3.11人工地震説本が「日本トンデモ本大賞」を受賞

小沢一郎夫人が支援者に「離婚しました」
奥さん、やめときなはれ。」』
richardkoshimizu’s blogより)

シリア・アラブ共和国』(外務省HPより。宗教人口については「基礎データ」より参照)

《参考文献》